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雑感

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BLM運動を終わらせる方法

さぼ郎
Newsweek2020.11.24号に「BLM運動を終わらせる方法」という記事がありました。

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そもそも論でいうと「BLM」にはあまり実感がないので、読まずに飛ばそうと思っていましたが、たまたま読んでみたら「なるほどな」と思うところがあったので概要をまとめてみます。

政治家が人種的平等に焦点を当てること自体は賞賛すべきことだとしますが、人種差別がまかり通っていた過去に向き合わない限り、いつまで経っても人種差別をなくすことはできないという趣旨の記事です。

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ポイントは、アメリカが人種差別という「原罪」を償っていないことにあるとしています。

例えば、1921年にオクラホマで「タルサ人種虐殺」という事件が生じましたが、アメリカ国内で触れることなく忘却されています。

事件が商業ビルで働く白人17歳のエレベーターガールが悲鳴を上げ、逃げていく19歳の黒人が目撃されたことが発端で、黒人の住居、店舗、学校、教会、病院が破壊され1万人の黒人が家を失った上に、100~300人の死者が出たと推定されていますが、すべては闇の中になっています。

日本でも関東大震災において朝鮮人の虐殺が起きたとされていますが、wikiによると推定犠牲者数に数百名~約6000名と幅があるようです。おそらくは正式な調査がいまだにされていないからだと思います。

ちなみに、歴代都知事が毎年寄せていた追悼文を小池百合子氏が知事就任した翌2017年から送付していませんが、これも政治的主張なのでしょう。

それに比べるとタルサでは、オクラホマ州政府が1996年に「タルサ人種暴動調査委員会」の設立を許諾し調査が続いているそうです。

1963年には「バーミンガム教会爆破事件」が起こります。これは、公民権運動が盛り上がることでKKKなどの白人至上主義者をいらだたせたことによって起こった悲惨な事件です。

日曜学校に来ていた黒人女子4人が即死し20人が負傷しています。爆破にはダイナマイトが20本も使われたそうです。事件当時アラバマ大学法学部の学生だったウィリアム・バクスリィが事件解決を求めて検事になり、司法長官となり1976年にロバート・チャンプリスが逮捕され終身刑を言い渡されています。

1955年には14歳の黒人少年エメット・ティルが白人女性に口笛を吹いたと因縁をつけられリンチを加え目玉をえぐりだし銃で頭を打ち抜き死体をおもりをつけて川に沈めるという事件が起きます。

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裁判の結果、被告の二人は無罪になりました。ようは、政治家、警察、裁判所も白人至上主義に加担していたということです。

1944年には、14歳の黒人少年ジョージ・スティニーが二人の白人少女を殺害したという罪で試験判決ををうけ、処刑されています。身長が150センチほどであったため頭に電極が届かなかったので聖書の上に座らされて処刑されたそうです。

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証拠は一切なく、2時間の裁判と10分の陪審員評議で判決が出されています。

2014年に開かれた再審で「根本的な憲法違反」があったとし70年前の死刑判決を破棄しています。

このように個別の事件を見直す動きがありますが、人種的な不正義を糺すという「差別の根源」を見直すことへの取り組みはしてきていないと記事では指摘しています。

深刻な人権侵害が生じた過去の歴史を抱える国々が、そういった過去の過誤を発見・公表することで、人々の間に過去から積み重なった軋轢を解決するために真実和解委員会」を設置しているとのことです。

アルゼンチン、エルサルバドル、カナダ、グアテマラ、シエラレオネ、ソロモン諸島、韓国、チリ、東ティモール、フィジー、ペルー、南アフリカ共和国、モロッコ、リベリア、アメリカ合衆国などにあるようです(wiki)。

アマゾンプライムでただで見られる動画を探していたら「サーミの血」というタイトルを見つけて途中まで見ました。

内容は、1930年ころ、スウェーデンでサーミ人と言われるラップ人を差別していた話です。どこの国にもある「差別」ですが、日本では「タブー」にして触れないことで風化させることを国家としても、国民としても消極的であれ受け入れているのが現状のようです。

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和解を目指して顕在化させるのがいいのか、風化させるという潜在化がいいのかは、不明ですが、国によって対応が違うものだと思います。ポイントは「正義」に対する構え方の違いなのでしょう。

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