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ジョージ・ワシントンにみる民主主義とは

さぼ郎
ジョージ・ワシントンは1732年2月22日に生まれ、1799年12月14日に亡くなっています。

ジョージ・ワシントン
wiki「ジョージ・ワシントン」にリンク ↑

日本でいうと徳川は吉宗(亨保)から家斉(寛政)の頃のことです。

ワシントンは、選挙人投票率100%で大統領に選出されていますが、100%というのは彼だけのことだそうです。ワシントンの支持者の間には彼を永久的な統治者にしようとする動きがあったようですが、そういう考えをワシントンは憎悪したのだそうです。

永久の統治者」とはイギリスやヨーロッパにもいる「」であるわけで、それは民主主義の対極の存在だからです。

王

さらに、ワシントンは3選をも辞退しています。
3期目の大統領選出馬を拒否し、大統領職は2期までという慣習的政策を作った。この政策は、のちにアメリカ合衆国憲法修正第22条によって法制化された。
というのは、ルーズベルトが4選することで不文律の掟を破ったからです。そこで、憲法を修正して大統領の3選を禁じる合衆国憲法修正第22条を可決しています。

ちなみに、「憲法を修正しない日本はおかしい」とか「アメリカに押し付けられた憲法だ」などのような論法を前提に、だから、日本国憲法を改正すべきだというような主張もあるようですが、アメリカにおける憲法の修正は、連邦上下両院の3分の2の発議と、州の4分の3の承認が必要で、アメリカの75%が同意しなければ憲法の改正はできないのだそうです。

アメリカ国民は、大統領の3選禁止だけでなく、同じ政党が3期続けて政権を担うことにも警戒を示します。賢い!。2つの政党が競い合うから逸脱も不合理も是正され、国民利益が最大化されるわけです。

事実、レーガンのあとのブッシュが大統領になったときだけ共和党が3期続けたのみで、2大政党制が民主主義の重要な役割を、国民が認識しているということですね。

自らの間違いを認めず、批判すれば解雇してしまうという、まさに「」となったトランプは「暴政」をしているわけで、ジョージ・ワシントンの民主主義に対する思いとは、およそ乖離する結果が現在進行中となっています。

トランプ

ちなみに、アメリカ合衆国憲法第2条の第1節は大統領の選び方ですが第2節では「軍の最高司令官」「恩赦」「条約締結」「公務員の任命などその他諸々」の権限も与えられています。

つまり、長期に亘る政権を与えてしまうと「」になってしまうため2期という制限を設けているわけです。

翻って日本です。安倍政権は2018年5月30日で、第一次安倍内閣を通算して2,348日と安定した長期政権であり、まさに「」であり、しかも3選をねらうとのことで、そこにも制限はありません。

」ゆえに、森友問題であろうが、加計問題であろうが、どこ吹く風で、時間がすべてを消却してくれるという経験則からなのでしょう、選挙民も自民党の安定独裁を歓迎し、安倍政権も支持率も下げが止まっているとのこと。

ジョージ・ワシントンの考えたリーダー像とは対極を行くリーダーが王として君臨しています。

しかし、世界を見渡すとトルコのエルドアン(首相+大統領=5,561日)、ロシアのプーチン(首相代行+首相+大統領=6,862日)、中国の習近平(2,022日)、イスラエルのネタニヤフ(3,347日)などが君臨して選挙という形式はあるものの、実質は「」である人たちの仲間に、なぜだか我らがリーダーも入りたがっているような感じです。

ジョージ・ワシントンが大統領であった期間は2,864日(数日の誤差あり)、日本で一番長く首相をしたのが桂太郎の2,886日なので、我らがリーダーはあと500日は頑張らないと、彼らには並べません。

それがどういう意味を持つのかは歴史が語ってくれるのでしょう。
制限が無ければ、大統領の役職は4年間ではなく終身任期となる啓蒙君主に近くなり、その権限があまりに強くなって権力分立を脅かすという心配だった。このために修正第22条は採択された。
何人(なにびと)も、2回を超えて大統領の職に選出されてはならない。

同じヒトが最高権力を持つことで国家が動くわけですが、最高権力を長期に渡って持ち続けると、最高権力を持つ人間は、得てして「イエスマン」を取り巻き(近習)に従え、苦言を呈する人材を遠ざけることが始まることは歴史が示しています。

近習(取り巻き)は、「忖度」することで覚えがめでたくなるという、まさに現下の日本政治が示してくれています。

忖度

憲法を改正するなら、首相任期は2選もしくは8年以内という制限をかけることも、政治の正常性を保つためには必要だと思います。

裸の王様は、なり手がいくらでもいるのに、自らの首に鈴をつける猫はなかなかいません。

猫

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