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国家のお金の話

さぼ郎
高橋洋一というひとがいます。元財務省(大蔵省)の役人だった人で、時々テレビに出て人を小馬鹿にしたような小笑いをする人で、ワタシ的には好感度は低い方の人です。

政策工房代表取締役「会長」という肩書で、社長が原英史という人で、もう記憶もおぼろげになりつつある加計学園を無理筋通して認可した国家戦略特区のワーキンググループで活躍していた人です。

この方が毎日新聞と係争中のようで、毎日新聞によれば「規制緩和ビジネス」としてワーキンググループにいることの利得を使って、コンサルタントをすれば、頼む方とすれば国家戦略特区の案件として有利に展開できると考えることは至当なことで「魚心あれば水心」なわけで、ポジションが利権になっているというような記事を書いています。

真実は埒外の人間には不明ですが、加計学園獣医学部の時のやり取りで(森友もご同様)ともかく、事の成否は置いといても「国家戦略特区」のあり方が怪しい印象は拭えず、中でもワーキンググループの存在は、際立って怪しい印象があります。

そこで活躍している会社であるということは、安倍政権寄りの会社で有ることは間違いがなく、当然のことながら「政策工房」という名称からして政権から金銭の授受があるであろうことは必定で、中立公正な組織ではないことは間違いのないところでしょう。

で、冒頭の「高橋洋一」さんですが、2019年9月18日に「元財務官僚《消費税引き上げは本当は必要ない」という記事を上げていましたので、政権サイドのバイアスがかかっているのだろうと思って読みましたが、意に反して「なるほど」と思うところが多かったです。政権と距離ができたのでしょうか?

その要点をまとめます。

平成29年度のバランスシートを見ると、
資産 670,513,522百万円(670兆円)
負債 1,238,875,311百万円(1240兆円)
差引 568,361,788百万円(568兆円)
ということになります。

政府の資産に「有価証券」という項目があって「118.5兆円」もあるのは驚き。

負債の中で突出しているのが
公債 966,898,628百万円(967兆円)

image01

政府の子会社である日銀のバランスシートを見ると、
資産 558,647,068百万円(559兆円)
中でも突出している資産は、
国債 473,877,923百万円(474兆円)
であす。

投資信託も、24兆円もあります。

負債で大きいのが、
発行銀行券 106,557,158百万円(107兆円)
当座預金  376,800,497百万円(377兆円)
ということになっています。

一般に国民の預貯金が1500兆円あるとか言うけれど、出回っている紙幣の総額は100兆円程度であって、残りの金額は「信用許与」として約束として仮想的に作られている虚構である。

もちろん、紙幣そのものだって、日銀が保証しているだけで単なる「約束」だけでしか無い。つまり、「紙幣」は日銀による「債務証書」であるので、借金ということになる。
日銀は、民間金融機関が保有している国債を買い、その代金を民間金融機関の当座預金に振り込むか、日銀券つまり紙幣を発行して渡す。
当座預金も紙幣も、原則として「利子」がつかない
補完当座預金制度によって日銀は、一定比率以上の金額つまり法定準備預金額を上回って預けている金額=超過準備金に対して利子をつける
法定準備預金を超えている部分に関しては要求があれば発行銀行券と交換が可能であるけれど、これをいくら発行しても利子はつかないし償還の必要もない。

ということは日銀の資産は、そっくり政府の資産でもあるといえる。政府の負債である568兆円から日銀の資産である国債473兆円を引くと、95兆円がとりあえずの借金ということになる というのが高橋洋一さんのいいたいこと。

最近、「プライマリーバランス」という言葉もよく耳にします。
公会計において、過去の債務に関わる元利払い以外の支出と、公債発行などを除いた収入との収支
wikiによると、「経済学者」として竹中平蔵氏が登場していて、「プライマリーバランスが赤字だと財政破綻の懸念が高まる」とのご宣託です。

他の学者の意見では「OECD加盟国で財政目標をプライマリー・バランスに置いている国は日本以外存在しない」とのお話もありますので、どちらが正解かはわかりません。

冒頭の政策工房同様に、竹中平蔵氏も安倍政権の「有識者会議」のメンバーとして活躍しながらご自分が関わっているオリックスやパソナに対して明らかな利益誘導があるようで、学者というよりは、いまや「政商」という肩書が似合うようです。

で、高橋洋一氏に戻ると、結論は「日本の財政は健全である」ということらしい。「国債には召喚するときに利払いがある」というけれど、「借り替え」をすればずっと利払いはいらないらしい。

つまり、100万円の国債が償還期限がくれば、また100万円の国債で借り替えを繰り返していけば利払いはいらないとしているけれど、大西つねきさんは違った意見で、国債を持っている人(日銀は除く)には利払いが必要で、結局は持っている人は更に豊かになると指摘しています。

これも、どちらが本当なのかは不明。

しかし、赤字国債を切らなければ赤字国債分を制限なく増税しなければならないと高橋さんは指摘しています。

し前に、「MMT」というお話がネットを賑わせました。「現代貨幣理論」とか言うお話で、これは景気が悪ければ良くなるまで赤字国債を発行すればいいというような理論で、高橋さんの話にもありましたが、紙幣を刷れば利子はいらないのでデフォルをを起こさないというようなマコトシヤカな怪しい話です。

これを推奨している人たちも怪しい経済評論家であって、どうも学説にはなりきれていない気がします。そもそも、黒田総裁が大規模に金融緩和をすれば景気が良くなりインフレ2%は簡単に達成できるはずであったものの、未だにその気配すら見えません。

つまり、経済は複雑系で動いており、ちょっと頭がいい位の人の理論や評論では、どうにかなるものでもないようです。

根本にあるのは、「貨幣」の性質が、いままで財務省が言い続けてきたこととは違うことが明るみに出てきたことは「MMT」の功績ですが、「国家財政」とか「経済」などという複雑で怪異で面妖なものの実態は掴み難く、あたかも平安時代の「鵺(ヌエ)」のようです。

平安時代の鵺は「猿の顔、狸の胴体、虎の手足」だったそうです。令和の鵺はさしずめ「安倍総理の顔、麻生副総理の胴体、黒田日銀総裁の手足」というところかもしれません。

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れいわ新選組の山本代表が、令和の源頼政になれるかが一つのポイントになれれば現状を変えることが出来るのかもしれませんが、本当の鵺は、実は「官僚の顔、官僚の胴体、官僚の手足」であることは間違いのない所ですので、容易なことでは鵺退治はできないでしょうね。

インフレ目標の2%が達成できていないということは「不景気」なわけで、にもかかわらず必要もない増税を是認するという政府の「洗脳」に侵されている日本社会ですが、有権者の半分は選挙や政治には興味もなく、ひたすら食うこと臭われて日々を過ごしているわけで、政府は国民を「生かさず殺さず」と考えて政策を実行しているのかもしれません。

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