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日本人であること

さぼ郎
たまたまYouTubeで見つけた英会話の動画。



このヒトが動画の中で言っていることなんですが、アイデンティティは「言葉」によるところが大きいという話。

しかし、「チカ」という人のようですが、登録しているひとが129万人。2018年12月31日にアップして1月2日の朝で約14万人が見ています。

似たような英会話で「サマー先生・プライムイングリッシュ」というのもあるようですが、こちらの登録は6.2万人だそうです。

何が違うのかは不明です。日本語ができるアメリカ人が教える英会話と、英語ができる日本人が教える英会話の違いなのでしょうか。

あるいは、企画そのもの、教えるポイントの違いなのか、属人的タレント性の違いなのかはわかりません。

そもそも、英会話に今更興味があるわけではありません。むしろ逆で、日本人日本人にしているものは何なのだろうという、年末から考えに基づいています。

チカさんが言うようにアイデンティティのことなんですが、では、アイデンティティとはと問えば、wikiでは「自己を確立する要素の事」と説明しています。

つまり、自己の確立に「言語」は不可欠であるわけで、また、言語を通して情報や知識を身に着けていくことができるわけですから、思考も言語に左右されるわけです。

彼女の動画で6分ちょっと前あたりで、アイデンティティは環境によって変わると言っています。「自己が変わる」というよりは、「自己のあり方が変わる」という感じじゃないでしょうか。

自己のあり方が変わる」ということは、自己を形成している発想の根源なども変えていくことができるハズです。なんのために変える必要があるのかということですが、単に「気づき」を増やす、気付きから派生する「感受性」を豊かにする ということができるのではないかという思いです。

世の中には膨大な「知識」「情報」があり、それらを頭の中にとどめておくためには「記憶」が必要です。しかし、思考は膨大な知識や情報に基づく記憶だけからなされているわけではありません。

感情」や「」の作用が不可欠ですし、「知能」なども大きな影響を与えるものと思いますけれど、記憶の量や知能の素晴らしさだけが「自己」を優位にするわけでもないと思います。

俗っぽい言い方をするなら、アメリカ型と言われるような競争社会においては、まさに記憶と知能と決断力とリーダーシップによって、勝ち抜くことができる可能性は高まりますが、だからといって「自分とは何か」の答えになるわけでもなさそうです。

年末から正月にかけて少ない記憶と、働きの遅い知能が導き出した一つの答えは、「かつて」の日本人日本人足らしめていた「記紀」や「万葉集」、「古今和歌集」などに触れることで、自己をもっと「日本人」で充満させることではないかという思いでした。

これって、幕末の「国学」のようなものかもしれませんが、漢籍を排するのではなく、漢籍の果たした役割も十分に加味して物事を考えられるようにしてみたら、夏目漱石や樋口一葉を読んでも、摂取できる「気分」に違いが出てくるのではないかと思うのです。

古典や漢文に精通していた人たちの思いを汲み取るためには、その下地を身に着けなければ、字面から自分なりに解釈するしかできないわけで、それでは、狭い「自己」を広くしていくことはできないような気がしています。

ポピュリズムのようなものに収斂するというのも、単に自己の希薄感、喪失感を埋める安易な代理思考のように思います。宗教は逆に自己の希薄感、喪失感を教祖や経典によって安寧を与えようとするものと考えることができそうです。

宗教観も愛国心も特に持っていない自分としては、より堅固な自己を確立することで感受性を高めるために、遅まきながらではありますが記紀や平安文学などに積極的に触れていこうと思い立った次第です。

安政の大獄で井伊直弼に連座した長野義信が、国学の士だという話をずっと疑問に思っていました。なぜ、国学の士が井伊直弼のブレーンとして暗躍することになったのかが長い間の疑問でした。

国学に精通することとは、本来あるべき日本の姿に導クことができるということだったのかもしれません。現実には明治になって天皇親政や太政官制度を持ち出しては見たものの、時代に即しておらず数年で敗退して行くこととなりました。

しかし、日本人としてのアイデンティティを確立することは、きっと自分をボキャブラリを豊かにしてくれて、貧しいながらも心豊かにしてくれるような気がしています。

第一回のNHK大河は「花の生涯」で、長野義信は佐田啓二で村山たか女が淡島千景でした。この二人以外のキャスティングは考えられません。今どきのタレントだかモデルだかジャニーズだかは知りませんが、時代劇を演るヒトは、国学や儒学を学ぶ必要があることは間違いのないところだと思います。

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