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頓活

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10年前に作ったEMO

さぼ郎
いまから10年前に「EMO」というレコードマネジメントのツールを作りました。

EMO」という名称は、「EMergent Office」の略称で、スローガンは「創発に充ちた文書管理環境をご提供」という大それたものでした。

創発」という言葉は、そんなに使用頻度が高い語彙では無いと思います。
部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることである。局所的な複数の相互作用が複雑に組織化することで、個別の要素の振る舞いからは予測できないようなシステムが構成される。
wikiではこのように定義されている語彙です。イメージで言うならニューロン1個では何かができそうでもありませんが、何千、何万と集合することで「脳」としての機能を獲得してくるわけで、そうした組織化や「全体」としての振る舞いが発現してくることを「創発」というようなのです。

だからといって、たくさんの文書を、ただ集めておけば知識が自然発生的に分類され集合知になるはずはありません。

「EMO」は、現時点から過去のものとなるライフサイクルを追いかけて不要になった文書を廃棄することに重点を置くような後ろ向きな文書管理ではなく、現時点から未来を志向するような文書管理でありたいと思って作りました。

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目指したことはデータベース付きの「ファイル・エクスプローラ」で、いかにして共有するか、共有できるかに力点を起きました。

「デジタルなファイルも紙文書もシームレスな管理」などと、言うはかんたんですが、「ファイル・エクスプローラ」のようにフォルダを共有するなら排他制御はどうなるのか? 移動や削除されたらどうなるのか? 等、結構、問題は少なくありませんでした。

「EMO」では、「アセット」と「アーカイブ」によって、俗に言う「保管≒活性文書」と「保存≒不活性文書」を管理するような仕掛けを想定していました。

で、「アーカイブ」の中に「定期発生」「案件」「参照資料」「蓄積更新」のようなカテゴリを設け、組織的な活用を目指して分類していくことを目指しましたが、ほぼ、完成してはいたのですが、お蔵入りになりました。

■ お蔵入りの理由

個別文書を登録の対象にしてしまったこと
すべての文書を登録するのは大変!
デジタルデータはエクスプローラ風の画面から見つけて所定の登録項目に入力をすれば、検索対象となりますが、紙媒体の場合で、全ての文書を登録することは労力に対して無駄であり、かつ、網羅性に乏しいことは自明でした。
デジタルデータの移動や削除を追従できなかったこと
共有フォルダとして登録されているデジタルデータは、今で言うところの「改ざん or 改定」は容易にできてしまうし、移動や削除されてしまえば共有はできないわけです。
箱詰め(保存箱)
「アーカイブ」において保存箱に梱包し書庫に保存するという文書管理のイロハの実感が希薄だったこと。
要するに保存箱に詰めて書庫で保存するような文書管理をしていなかったため実感が湧かなかったこと。
組織変更
マスターとして組織の登録画面はあるものの組織の統廃合まで考えが至っていなかったこと。
ラベル等
ラベル印刷(背ラベルや保存箱の箱ラベル)が必要なことは分かってはいいものの、実用的なラベル印刷まではカバーできていなかったこと。

このような理由で、実際に自社の文書管理として使用するまでに至りませんでした。

「活性-不活性-保存-廃棄」という流れを適正に管理することは、文書管理の原点であり、この基礎の上に「活性-不活性」文書の共有をいかにして図るかが次のステップになってくることが、「EMO」を通して見えてきた起点となりました。

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