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あれこれ

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「国家の罠」という国策捜査

さぼ郎
「国家の罠」という本を読んでいます。著者は佐藤優さん。

国家の罠

佐藤優さんというと鈴木宗男さん絡みで逮捕され、その後、評論活動をしている位の知識しかありませんでした。要するに、さほどの興味もなく、鈴木宗男さんも、なんだかんだ言っても、結局は小物の政治家だったぐらいの印象でした。

第一章「逮捕前夜」
第二章「田中眞紀子と鈴木宗男の闘い」
第三章「作られた疑惑」

と読み終わり、いまは第四章「国策捜査」に入っています。図書館の本で、次に予約した人がいるので9日には返さなくてはなりませんが、それまでは読み続けようと思っています。

なぜ、急にこの話題に興味を持ったかというと、「国策捜査」という言葉が、森友や加計問題。そして伊藤詩織さんの準強姦事件の逮捕取り消しや、その後の検察審査会での不起訴相当が、客観的に見ても「国策捜査」であることは疑いようがありません。

日本の今は、あまりに政治家のレベルが低すぎ、それに比して官僚達は自分たちの優秀性を自負するがあまりに、政治家に適当な餌(例えば森友や加計、山口氏の逮捕執行停止など)を与えて好き勝手放題をしていることは、政治や行政にいくら疎いとしても想像は、ほぼ事実に近いものと思われます。

佐藤さんはwikiによれば、
■j2000年1月、テルアビブ大学教授ガブリエル・ゴロデツキー夫妻をイスラエルから日本に招待した際
■同年4月、テルアビブ大学主催国際学会「東と西の間のロシア」に7名の民間の学者と外務省から6人のメンバーを派遣した際

外務省の支援委員会から違法引き出して支払った疑いで逮捕、有罪になっていますが、当時の直属上司は「組織として実行している」としており事務次官決済を受けているとのことでもありますが、懲役2年6か月、執行猶予4年となり、最高裁で上告が棄却され、それに対して異議を申し立てなかったため刑が確定しています。

執行猶予4年に対して500日を超える逮捕勾留があったようで、これって、まさに籠池夫妻と同じような扱いに思えます。

テルアビブ大学」に関する疑惑ですが、佐藤さんによれば、当時のイスラエルには人口の20%がロシアからの移民だそうで、当時のイスラエルにはロシアに通じる貴重な情報源が多々あったと書かれていますが、そのことに外務省は気付いていなかったようです。

また、国後島におけるディーゼル発電機供用事業の入札において三井物産に有利になるような計らいをしたことが偽計業務妨害になったようですが、金品の授受はまったくなく、検察として「動機なき犯罪」として起訴されたようです。

共謀罪が動き出せば、国家権力は未然にテロを防ぐためとして証拠不十分であっても動機なき犯罪」として逮捕勾留ができるようになるわけです。

国策捜査」の事実は、当時の国策を担ったヒトが真実を吐露でもしない限り、闇の中であって、片方の当事者である佐藤さんの言い分だけを信じることにもはばかりがありますが、昨今の、政治を取り巻く怪しい動きや、伊藤詩織さんの準強姦事件のもみ消しに対する国家権力の対応を見る限り、かなり信憑性が高いように思えてしまいます。

しかし、権力が腐敗するのは宿命とするなら、その歯止めが政治でありメディアでなければならないはずですが、与党も野党もメディアも、全く権力(官僚)に逆らえなくなっている事は想像に固くありません。

メディア

「共謀罪」という法律も、与党にとっても賛成しなければならない理由が見えない法律ですが、与党である自民党も公明党も、強行採決までして法案を成立させています。

佐藤さんが、二章のまとめとして以下の3点をあげています。

小泉政権誕生により変貌した事

1.外交潮流が変貌した事
田中真紀子外相の9か月の間に「親米主義」に整理された
田中外相が鈴木宗男および佐藤優に対する敵愾心から「ロシアスクール」を幹部から排除した
田中外相が失脚したことで「チャイナスクール」の力が限定的になった
親米主義が唯一の路線として残った

2.ポピュリズムによるナショナリズムの高揚
怒りの対象は100%悪く、それを攻撃する世論は100%正しいという二項図式が確立した
鈴木宗男だったり北朝鮮だったりする
排外ナショナリズムが強まった
「より過激な主張が正しい」「受けた痛みは忘れないが、与えた痛みは忘れる」
ナショナリズムが行き過ぎると国益を失う

3.官僚支配
内部文書のリークをはじめ組織としての統制が効かなくなった
チームとして困難な仕事に取り組む気概を失って、温室の中での争いに終始しているが、国際政治は温室の外で展開されている

国策捜査」として最近、取り沙汰されているのが伊藤詩織さんを「準強姦」したとされる山口敬之という元TBSの記者のことです。山口さんと伊藤さんが、どういう関係で、お互いに何があったのかについては第三者には関与すべき問題もありません。

しかし、突然の逮捕取り下げや検察審査会における不起訴相当が、法治国家を標榜しているはず日本の有り様には思えないのです。

つまり、「国策捜査」は、厳然として存在しており、しかも官僚の理論武装において政治家までもコントロール下において、平然と「合法」としていることに、日本の行末を思うと暗澹としてしまいます。

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