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科学

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マルチバースと多世界

さぼ郎
日経サイエンス2017年9月号の特集記事に「マルチバースと多世界」というのがあって、著者が野村泰起さんという日本人の学者だったので、変な(日経サイエンス特有の)翻訳文でもないだろうと思って一応は、読んでみましたが、皆目分かりませんでした。

野村泰紀
wiki「野村泰紀」にリンク ↑

そもそも、内容が難しい上に、やっぱり英文を日経サイエンスの方で翻訳しているらしいのです。

たまたま、素数と量子の関係や多世界につながりがありそうというYouTubeの動画を見たので、興味を持ったタイミングでもあったため、我慢してちょっとだけでも理解したいと思っています。

記事のあとに、「今なぜマルチバース」という対談があって、それはなんとなく日本語風になっているので、若干、雰囲気が掴めた気もしますが、スッキリと理解できるような内容ではありません。

それを自分なりに噛み砕くためにも、まとめてみようと思っています。以下、言っているのは野村泰紀さんです。

宇宙は無限であること」。ここから始まります。理論ではなく現実に「無限」であるといいます。「宇宙」という言葉を使いますが、正確には「我々の宇宙」とした方がいいかもしれません。

というのは、宇宙には「我々の宇宙」以外にも無数(無限?)の宇宙があるからです。

アインシュタイン

この式は、質量の消失はエネルギーの発生を、エネルギーの消失は質量の発生をそれぞれ意味しています。

我々の宇宙」の始まりは最初にインフレーションが起きて、その直後にビッグバンが起きるわけです。当初、光も出ないくらいの強力な重力があったわけですが、膨張するに従ってだんだん冷えてきて、それが百数十億年も経った頃合いに地球に生命が生まれるわけです。

宇宙が「無限」にあるということは、起こりうることは必ず起こることを確率的に意味します。で、「我々の宇宙」の真空のエネルギー密度の具合が、物質が生まれるのに調度いい塩梅だったというわけです。

我々の宇宙」では、物質のエネルギーが30%くらいで、真空のエネルギーが70%くらいなのだそうです。この、真空のエネルギーをかつては「ダークエネルギー」と呼んでいました。

我々の宇宙」が誕生した瞬間では、殆どが物質エネルギーで充満しており真空のエネルギーは殆どなかったわけですが、我々の宇宙」が誕生して百数十億年経つことで今のバランスになった。しかし、宇宙は膨張しているので、徐々に物質エネルギーは相対的に減少していくわけですが、真空のエネルギーはそのまま維持されます。

となると、エネルギーのバランスが狂ってくることになるわけですが、現実には調整されている。ということは、エネルギーバランスを調整するメカニズムがあることになるわけで、そのことから考えてみても、「我々の宇宙」は、単独で存在しているのではないことが推測されます。

難しいことは分かりませんが、アインシュタインの方程式を解くと、宇宙が膨張するのは真空のエネルギーが「」のときなのだそうです。

で、「我々の宇宙」は膨張しているので、真空エネルギーは「」であることが証明されることになります。

理由は分かりませんが、ここで出てくるのが「超弦理論」だそうです。超弦理論によると宇宙は10次元なのだそうです。ともかく理論を無矛盾にするためには宇宙は10次元でなければならないのだそうです。

一次元だと「」でしかありませんが、二次元になることで「平面」の広がりを持てます。余剰次元は、各次元の各点についているのだそうですが、我々には認知できないようです。

しかし、余剰次元の空間は10の500乗通りもの安定な形を取ることができるのだそうです。といっても、その意味は即座には分かりませんけど。

余剰次元があることによって、真空エネルギーが理論値よりも小さいことを説明できるのだそうです。極小点が安定した宇宙のポテンシャルエネルギーだとすると、安定して実現しうる宇宙の存在可能性が超弦理論の解になるとかで、その時の余剰次元の形やサイズが、その宇宙の素粒子や力の種類を決めるということのようです。

極小点で安定している宇宙のエネルギーがインフレーションを起こすと、近くにある真空エネルギーの低い宇宙に量子力学でいう「トンネル効果」でエネルギーが転移するわけです。調度、お湯が沸騰すると泡が湧き出てくるように、新たな宇宙の真空エネルギーとなってインフレーションが起きるわけです。

沸騰

インフレーションが終わる宇宙もあれば、新たなインフレーションを起こす宇宙もあるわけで、それが超弦理論の解のように10の500乗もの安定した種類の宇宙があり、その数は無限個あるわけです。

我々の宇宙が誕生したときは、プラズマが凝縮したような塊であり、ほとんど温度も密度も揺らぎがなかったとはいえ、僅かな揺らぎによって重力の変化ができ銀河や星ができることになった。

ここに揺らぎがなかったなら、固有の宇宙として誕生することは出来ないことになります。

宇宙において「」を考えると、それはいつのことなのかは簡単には分かりません。というのは、夜になって見えている星は、今の姿ではないわけです。星によっては何億年か前の姿であるわけです。

こうして考えると「時間」とは、今と直前の連続でしかなく、2つの現象の相関でしか無いことになります。ここの宇宙のハテはどうなっているかというと、どの宇宙においても、その宇宙の中にいる限り無限に広いことになります。

遠い星は、ずっと昔の光がやっと地球に届いているわけで、その遠い星のさらにその先の宇宙のはてまで行こうとすると、宇宙は強烈な速度で膨張しているので、とてつもない速度で行かない限りいつまでたってもハテには到達できません。

で、速度をどんどん上げていって光速を超える辺りが「宇宙の地平」となって、観測者はその先には到達できないことになります。

地平線

つまり、宇宙の中の人間にとって見れば、宇宙の地平の外は存在していないことになるわけです。

で、結論としては「マルチバースは量子的な確率空間」にあるということで、シュレディンガーやハイゼンベルグを勉強すると、もう少し理解が深まるかもしれません。

とりあえず、野村泰紀さんの書いた「マルチバース宇宙論入門」という本があるようなので、早速頼んでみました。

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