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リブラが与える経済への影響とは

さぼ郎
G20では、リブラに対して最高水準の規制が必要だと議長が総括しています。トランプ大統領はリブラが銀行業をやりたければ銀行の免許を取得してそれなりの規制を受けるべきだとしています。

img01 マネー

それに対してザッカーバーグ氏らは、殊勝な構えで対応しており、場合によってはリブラ協会を脱退する可能性があるとまで言ってはいますが「断念」については言及がありません。

中央銀行は銀行券を発行して購入した金融資産からの金利収入を通貨発行益として計上しているのだそうです。よって、世界で出回っている現金がリブラに置き換わると各国の中央銀行は通貨発行益が減少することになるようです。

通貨発行益とはお札を作る原価と額面の差が発行益にあるわけではなく、その額面で購入した資産から得る利益が発行益になるのだそうです。

中央銀行の場合、通貨発行益は国庫に納付されて国家の歳入になります。リブラの場合は、安定資産として先進国の通貨を保持するとしていますが、為替差益が出たとしてもリブラ協会の収入になるとのことです。

そもそも、リブラの安全資産はドル、ユーロ、ポンド、円が想定されているため、中央銀行の資金決済システムに依存することでもあります。購入は各国の中央銀行の決済システムを使うことになるはずなので、各国の中央銀行の了解なしには、安全資産の売り買いができないことにもなります。

安全資産なしにはリブラは成立しないので、これからどうするかは見ものとなります。

IMFとしては、脆弱な政府や高インフレの国にリブラが浸透しだすと貨幣の代替が進み金融政策が効きにくくなるリスクになり、当該中央銀行としての金融政策のコントロールを失う懸念があると警戒しています。

img02 デモ

事実としては政策信任が低い国では「ドル化」よりも「リブラ化」が加速する可能性が高いと考えられています。

リブラによって危機に陥る国は、そもそもそのレベルの国であったということでもあります。

ただし、リブラによって安全資産が大量にリブラ協会に保有されることとなったとして、大量にリブラを保有しているユーザーが一気にリブラを法定通貨に変えようとすれば、ターゲットになった国家の金融システムにストレスが掛かることもありえます。

そのためには規制が不可欠であることは間違いがありません。

リブラ協会に入るためには1口1000万ドル出資しなくてはなりません。1000万ドルに対して議決権が1単位もらえるそうです。そうすれば資金力がありさえすれば議決権を牛耳ることも可能になります。

img03 議決

これも懸念材料の一つとなりえます。

リブラがどれだけ巨大になるかによりますが、仮に巨大な額のリブラが運営されるようになれば国際金融が二本立てになるわけで、相対的に各国の銀行の能力が低下し流動性に影響を与えることも考えられます。

そもそも、貨幣とは国家権力の代弁のようなもので、超国家による貨幣は、いまのところ、ビットコインしかないと言えます。事実上では、基軸通貨であるドルが超国家的君臨をしていますが、それとてアメリカの法定通貨としてアメリカの信用において機能を発揮しています。

img04 ドル

ここまで考えてみると、Facebookの本当の狙いが何であるのかを考えなければ、G20においてリブラを承認することは難しい気がします。

我思うに、巨大な決済をリブラ内で行えるようになれば、安全資産の裏付けは不要になり、リブラで賃金をもらい、一般消費もリブラで払い、一切の売り買いもリブラで済ませられるようになれば、どのみち、先進国の銀行預金は金利が限りなくゼロなわけですから、全てをリブラで済ませるようになる可能性は決して低くありません。

振込手数料も原稿より遥かに安いでしょうし、送金手数料も遥かに安いでしょう。そうなれば、各国の法定通貨に交換する必要もなくなります。

その次の狙いは、与信になるでしょう。貸付をリブラで行い、リブラで資金を集めて起業するなども起こりえます。巨大になれば相互保険も考えられます。

IMG05 融資

更には個人情報の分析。

そのような構想を描いていることは、きっと間違いのないところだと思います。

起業して16年の会社で、創業者は36歳のザッカーバーグが、世界の金融を制覇しようとする構想を、かなり実現可能なプランで世に問うことをしています。そのスケールと着眼には脱帽するしかありません。

ジンギスハンもヒトラーもなし得なかった世界制覇も、実現可能になりつつあるわけです。

衰退の一途をたどる日本の青年からは、考えられない提案ですよね。

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