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雑感

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1984年

さぼ郎
1984年」というと「昭和59年」です。

1984年」で「ジョージ・オーウェル」を連想する人は英国通か文学通です。ちなみに「ジョージ・オーウェル」といえば日本ではさしずめ「村上春樹」のような人で、イギリス人で知らないといえば潜りになるくらいの人です。

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あらすじは核戦争が起きて、その後の世界を描いています。
作品の舞台となるオセアニアでは、思想・言語・結婚などあらゆる市民生活に統制が加えられ、物資は欠乏し、市民は常に「テレスクリーン」と呼ばれる双方向テレビジョン、さらには町なかに仕掛けられたマイクによって屋内・屋外を問わず、ほぼすべての行動が当局によって監視されている。
なんだか、お隣のような国ですね。
主人公ウィンストン・スミスは、真理省の下級役人として日々歴史記録の改竄作業を行っていた。
これは、日本の財務省のようです。日夜、都合の悪い文章は廃棄か改ざんを一生懸命やらせているのでしょう、地方の部下に。

最後は、尋問と拷問で「転向」していくという話のようです。

これとちょっと違いますが「未来世紀ブラジル」。タイプライターに虫が入って1文字打ち間違えることからだんだん状況が悪くなっていく。その中で理想の女性(ジル)を見初め、片思いをする。



最後は親類の拷問係に拷問を受けるシーンで、「ブラジル」の音楽が流れ、理想の女性をドライブしているところで終わりますが、それは発狂したからのようです。

未来世紀は、どこの国も中国のような尋問と拷問。日本のような改ざんと情報隠しが横行することを、「1984年」も「未来世紀ブラジル」も示しています。

さて、それはおいておいて、Newsweek 2021.1.19号に「1984年、ポップに革命が起きた」という記事がありました。

1984年にマッキントッシュが発売され、レーガンが大統領になった年。マドンナがウエディング・ドレスで「ライク・ア・バージン」を披露した。

MIDIが音楽の録音の仕方を変えた。マイケル・ジャクソンの「スリラー」の販売がギネスに登録された。

ウィ・アー・ザ・ワールド」にプリンスがすっぽかしたことで軽蔑の的になり、キャリアに決定的な傷をつけたとも書かれている。

締めくくりは、「大いなる総意の時代には、反対意見は危険に響く」そうだ。たしか日本でも戦時中には「隣組」で相互監視をしていた時代があった。

そういうことでYoutubeでウィ・アー・ザ・ワールド」を見つけて聞いてみたら、思わず泣きそうになりました。



生前のマイケルがいるからとかではなく、登場する歌手のことごとくの歌がうまいのです。

ちょっと前に関ジャニが歌った山下達郎の『クリスマス・イブ』は、まさに放送事故といえる代物で、あれより下手な素人を見つけるのは難しいくらい。下手ななのに「オーイェ~」なんて、合いの手入れて悪びれていないところを見ると本人たちは下手だと認識していないようです。

YouTubeに動画あったので埋め込んだら、さすがにすぐに消されてしまいましたけれど、記念すべき「放送事故」として永久保存するくらいの下手レベルでした。

唖然、騒然、茫然なのが、日本のスターなんですよね。全部じゃないけれどジャニーズには集中しているような気がします。

それでもファンが付くんだから、日本の政治だって、かの内閣を30%も支持するわけでもあります。

それもこれも「多様性」です。

こんな手合いが日本では「スター」なのだから、ウィ・アー・ザ・ワールド」を見て、泣きそうになってしまうわけです。だって、歌手がうまく歌を歌っていることが、驚異に感じるようになってしまっている自分が驚異でした。

1984年」の主人公も改ざんばかりしているうちに真実がわからなくなる。「未来世紀ブラジル」では主人公が発狂することで心の平安を獲得する。

世界の未来は、きっと、そんな方向に向かっている気がします。

資本主義の発展形が「新自由主義」で、その結果として貧富の差が広がり、民主主義陣営の多くはポピュリズムが台頭してきています。

結局、統制力が強い国が未来の世界を担っていくことになりそうな気がしています。中国はソ連やアメリカの失敗を見ながら、大衆に自由を与えず、かつ、事業の国有化の度合いを調整しながら国家運営をしているのだと思うと、距離が近いだけに侮れない気がします。

そろそろ、日本も本腰を入れて政治改革と有権者の意識改革をしていかないとアメリカが頼れなくなると同時に「想定」しない事態になっていく懸念は払拭することができません。

産経新聞だから、あまり信用ができませんが直近の調査で20代が菅政権を62.7%が支持しているのだそうです。若者の痴呆化が如実になっているようです。

忘れていました。ジョージ・オーウェルの「1984」からヒント(着想?)を得て、我らがノーベル文学賞候補の村上春樹先生が「1Q84」というベストセラーを書いています。

買った人が貸してくれて目を通しましたが、5ページ飛ばしで読んだふりをして返しましたが、信奉者も多く、それなりの影響があったようです。
「僕(春樹先生)が今、一番恐ろしいと思うのは特定の主義主張による『精神的な囲い込み』のようなものです。多くの人は枠組みが必要で、それがなくなってしまうと耐えられない。オウム真理教は極端な例だけど、いろんな檻というか囲い込みがあって、そこに入ってしまうと下手すると抜けられなくなる」
「抜けられなくなる」というより、人間は制約があるからこそ、制約の中の「自由」を謳歌できると思っています。何の制約もなければ、人は自由を感じるより、むしろ大いなる不自由に嘆くことになるでしょう。

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