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科学

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プロセスというストーリー

免疫に見るプロセス

さぼ郎
体に病原菌やウィルスが侵入するとなにが起きるか?

病原菌

戦いに行くのは抗体、Bリンパ球、Tリンパ球、マクロファージなどである。

抗体は免疫グロブリンというタンパク質。Yの字のような形をしていて、Yの字のVの部分を使って病原体を捕まえる。

リンパ球やマクロファージは分裂・増殖刷る細胞であるが、抗体は細胞ではない。抗体が捕まえるものを「抗原」という。

抗体を作るのはBリンパ球。リンパ球は白血球の一員。「B」のリンパ球が抗体を生産する。

Bリンパ球によって作られた抗体は血液に溶け出して標的に向かう。

Tリンパ球はBリンパ球に「抗体を作れ」と司令を出す。司令を出すTリンパ球を「ヘルパーTリンパ球」という。

ヘルパーTリンパ球には「ヘルパー1Tリンパ球」と「ヘルパー2Tリンパ球」があって、花粉症の犯人はヘルパー2Tリンパ球の強い人に現れるアレルギー反応。

Tリンパ球には、もうひとつ「キラーTリンパ球」というのがある。抗体が捕まえた病原体を殺戮したり、ウィルスに侵された細胞を殺す。

キラーTリンパ球」に殺戮支持を出しているのがヘルパーTリンパ球。

マクロファージは、キラーTリンパ球が出動する以前から最前線で病原体を見つけて食い殺しているが、捕食してバラバラにした病原体の断片をヘルパーTリンパ球に運んでいく。

その断片を分析して、ヘルパーTリンパ球は敵の正体を知り、Bリンパ球とキラーTリンパ球に戦いの指示を与える。

マクロファージの、こうした動きを「抗原提示」という。

この抗原提示からヘルパーTリンパ球はインターロイキン4、インターロイキン5、インターロイキン6であることが判明している。

インターロイキン4は京都大学の本庶佑先生が遺伝子を分解し配列を突き止めている。

炎症と関わりの深いのがインターロイキン6。これは病原菌を殺すために高熱を発する。

インターロイキンだけでも、発見されている分子は30種類を超えている。

情報伝達分子には長野秦一教授が発見したインターフェロンもある。

インターロイキン6には善と悪の両方が備わっている。インターロイキン6は、肝臓の細胞を刺激して急性期タンパク質を作らせる。インターロイキン6は、怪我をした時に傷口を塞ぐために血小板を増やすことに関わっている。

悪の代表としては、骨髄腫細胞を成長させる。骨の中にある骨髄で作られるBリンパ球が癌化して異常な抗体を作り出し、骨を破壊する。

関節リウマチもインターロイキン6が犯人である。

Tリンパ球がインターロイキン6を使ってBリンパ球に到達すると、インターロイキン6受容体に合体すると、受容体から細胞核に抗体を生産するよう伝達される。

つまり、ここで長々と免疫について本からの抜粋を書いたのは、免疫というプロセスには見事なストーリーがあって、病気と戦って結果を出しているということです。

免疫

免疫では、プロダクトは主としてはリンパ球やマクロファージなのだと思いますが、リンパ球やマクロファージがいくら完成度の高いプロダクトであったとしても、プロセスというストーリーの中で、プロダクトが完結する意味を発揮するということになります。

とかく、商品やITならプログラムの完成度を深く追求しがちですが、その商品やプログラムが使われる場面での、利用者にとっても完成度と、資料者の手元に届けるストーリーがあって、始めてプロダクトは完成するということから、えてして目線が外れ勝ちになってしまいます。

また、免疫で見るように「伝達物質」がとても重要な役割をしています。

プロダクトを利用者の手元に届けることで完結するなら、どのように伝達するかを、計略を持って考えて置かなければプロセスは完決しません。そのためには、予算や人脈を含めたストーリーが不可欠な要素になります。

プロダクトを生産するよりも、プロセスの完備はずっと難しいような気がしています。

どちらかと言うと静的は「プロダクト」と、かたやは動的な「プロセス」をうまく噛み合わせることが、とても大切なことだと免疫同様に思ったという、いささかこじつけな話でした。

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