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暗号通貨と国家と借金

さぼ郎
国家がお金を必要とする場面の一つに戦争があります。日中戦争から太平洋戦争の戦費総額は名目上では7600億円だったそうです。

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日中戦争開戦時(昭和12年)の日本のGDPは228億円。国家予算にしめる軍事費は33億円で、国家予算(46億円)の70%にもなっています。

昭和11年では約11億円で50%ぐらいでしたが、日中戦争が始まることでいきなり20%もアップしています。今の防衛費は1%を上限目標にしているようですが近年は、ちょっと超えている程度です。

7600億円の戦費を昭和12年のGDPで比べると33倍。国家予算で比べると165倍になります。

今のお金で考えると、途方も無いことに、途方も無いお金を使って、挙げ句に敗戦し、国民を塗炭の苦しみに突き落とし、軍人軍属230万人、外地で一般邦人30万人、国内の戦災死50万人。合計310万人が死に、アジア同胞の被害を合わせると、500万人では効かないくらいの戦死者を出してしまいました。

この戦争に供したお金はどうしたかというと、当然ですが税金だけでは賄えず、日銀が国債を担保にお札を刷りまくったわけです。今の安倍・黒田路線でがやっているアベクロによるアベノミクスと同じです。必ずツケが回ってきます。

昭和21年、突如として新円切替と貯金封鎖とデノミをし、戦時中に日銀が刷りまくって軍事物資の仕入れに使った紙幣を紙くずにし、富裕税、戦時補償特別税、財産税、再評価税などを導入して負債を帳消しにしています

今の日本も似たような財政で、GDPの200%を超えているのは危険水域に入りつつあることは間違いがなく、アメリカのような思いきった財政出動ができない要因にもなっています。

MMTでは国債を発行してお金を輪転機回してどんどんすればいいようなことをいいますが、なにかが絶対間違っているような気がしています。もちろん、日銀が株買ったりREITを買ったりすることも、同じくらいに間違っているとは思いますが。

では、アメリカの戦費はどうであったかというと、ヨーロパでも戦い、太平洋でも戦っているにも関わらず数字的にはGDP比で3.2倍、概ね3~4倍止まりを限度としているようです。この辺りが戦争をする時の戦費の上限のようです。

アメリカでは、なんと戦費の大部分は増税と個人貯蓄の吸収を通じて賄われたとのこと。国力の違いを見せつけられています。

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現在の日本の借金がGDPの2倍を超えています。それに比べてアメリカの借金はだいたいGDPにして1年並ですから、日本と同等の借金をするなら、あと1000兆円くらいまでは財政出動ができます。

コロナ禍での真水の対応を見ればわかるように、日本の真水は10兆円とか16兆円ですが、アメリカの規模は議会を通っている分で300兆円だそうです。

さて、サトシ・ナカモトが生み出したビットコインは「非国家」が売りです。ブロックチェーンの最初のブロックに書かれている文言は、
“The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks”
なんて書いてあるのかというと、「大蔵大臣が2度めの銀行危機を緊急支援した」というような内容です。

つまり、サトシ・ナカモトは、銀行によって引き起こされたリーマンショックの救済に対して政府が支援したことを批判的に明記しています。

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よって、「非国家」の通貨をだして、国境など関係なく暗号通貨を流通させようとしたと考えられます。

ビットコインの現状は、支払いや決済よりも、価格の乱高下を目当てにした投機にもっぱら使われることとなっています。

アリペイは、中国共産党が国民を管理するのに都合のよい情報を提供しているわけで、ビットコインは、このような「国家」あるいは「中央集権」からの完全離脱を目指しているわけです。

アリババのジャック・マーは、
株主が求めているのは正義ではなく金を生むことであり政治に対して責任を持つことではない
といっています。このことは孫正義にも竹中平蔵にも宮内義彦にも共通することで、いいか悪いかは別として、巨万の富を築く人たちに共通する思考のようです。お金を稼ぐことに思想は不要だということです。資本主義の本質でもあるのでしょう。

サトシ・ナカモトの論文に「信頼できる第三者」が介入するのであればメリットの大半は失われると書かれています。リブラの最大の問題点が「信頼」にあることは、まさに的を得た意見だと言えるようです。

通貨には3つの原則が有るとされています。
①交換の媒介
②価値の尺度
③価値の貯蔵
もっとも、通貨足らしめているのは①の「交換」です。

納税は法定通貨以外に考えらません。日本では、いまのところ通貨価値が安定していますが、ハイパーインフレが起きている国においては暗号通貨の利用価値は侮れません。

現在の国際金融では、
世界中の政府や企業、家計の債務残高は過去最大の計250兆ドル(約2京7415兆円)に上っている。これは世界全体の国内総生産(GDP)の約3倍の規模
とのことで、各国政府が借り入れを意図的に活用し、景気浮揚を図ったことに起因するもので、返す宛てのない借金など有り得る話ではなく、バブルはいずれ崩壊するわけで、何が引き金になるかでしかないような気がします。

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今回の新型コロナに対する財政支出や、これから来るであろう不景気は、一つの警鐘でも有るような気がします。

1000兆円の借金は、債権があるから深刻ではないという人がいますし、償還期限になったら借り替えをすれば永遠に返さなくていいというヒトもいますが、そんなうまい話などあるわけなく、何かをきっかけに国際金融が破綻するときに、戦後のようなデノミが行われる可能性は決してゼロではないように思っています。

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