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雑感

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テレワーク考

さぼ郎
コロナでテレワークが流行っているとか。

テレワークの最大の問題点は「組織論」に帰結すると思います。もちろん、旧来型の組織が全てにおいていいというわけではありません。

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どちらがいいか悪いかという話ではなく、テレワークという働きからが果たして日本という風土に向くのかという点です。

むかし、TDKがe-Learningを手掛けていて、その担当の方と話をする機会がありました。その方の話では、e-Learningを自宅でやるのと教室でやるのとでは、教室でやるほうが圧倒的な効果の違いが出るのだそうです。

つまりは、「」と「集合」での認知の違いです。「」で勉強を頑張るときの尺度は「絶対的」な尺度とならざるを得ませんが、「集合」での「努力目標は「相対的」尺度となり、目先の目標(あるいは競争心)を立てやすくなることが、学習効果に大きな影響を与えるものと思います。

向上」において、一番有用な力は、なんといっても「競争」であることは間違いがありません。逆を言えば、競争心がなければなかなか向上していくことは難しいわけで、テレワークでどうやってモチベーションを上げていくかは、人事考課においても難しいくなっていくことと思われます。

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アメリカは国土が広いから教育でもビジネスでも、自宅で行うことは日本以上になれているし、浸透しています。まして、根本的には「個人主義」の国柄です。集団で力が発揮されるよに幼少期から訓練されている日本人とは、ちょっと違うように思います。

まして、平社員がいて、その上に主任がいて、その上に係長がいて、その上に課長がいて、その上に次長がいて、その上に部長がいて、その上に役員がいて、その上に社長がいる というような組織を想定すると、どこの部分がテレワークになるのか、どうやって組織管理を行うのかが、およそ不可能っぽい感じがします。

つまり、テレワークを前提にするなら組織自体の構成と、その運用を根本から考え直さない限り、組織性は崩壊していくような気がします。

組織力って、何であろうかと考えると、当然のことですが「人材」は不可欠な要素です。教育。人材間の競争。上下関係。蓄積されている知見。帰属意識(あるいは忠誠心)。

このような諸々をどのようにテレワークで涵養していくのかは、単にオフィスの家賃や通勤費のコストカットだけで解決のつく話ではなさそうです。

まして、自宅の環境だって、書斎があるわけでもないでしょうし、常時、亭主が家にいるのも決していいことではない感じです。

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きっと、コロナが解決すれば、ごく一部の組織を除いてもとに戻っていくように思います。

組織の階層でいえば、言い方はきついかもしれませんが、係長から役員までの階層で省ける階層も少なくないでしょう。日本の組織の場合、単に年功で古くからいるから管理職になっているヒトって、少なくなく(というよりは、かなりの数)いるでしょうから、階層を平たくしていくと降格すればいいだけではなく、不要になるポストと人材がかなり出てしまうことが予見されます。

つまり、日本では、テレワークなんて風土に合わないという結論に達するのではないかと危惧しています。

インドにバンガロールという地域があって、そこがインド版シリコンバレーとしてインド経済に影響を与えるほどの経済効果を発揮しています。インドには広大な土地と豊富な労働者がいることから、通常なら労働集約的な生産工場として利用しようとするところ、数学力と英語力などからアメリカが着眼したのがバンガロールだったわけです。

このようなことは中国でもインドネシアでもタイでもどこでも起きつつある現象です。新興国・途上国として一人あたりのGDPはかなり低くても、このような先進国並みの産業が隆盛してくれば、その部分だけの所得としては1万ドルは優に超えてきます。

それはそれでめでたいことではありますが、国内の所得格差が与える影響も無視できないこととなります。大げさに言えば国家や民族としてのアイデンティティよりも「資本」に対する忠誠であり、帰属意識になっていくことは十分考えられます。

個のレベルで考えると、大同小異な関係となり、もちろん経済的な成功にはなっていくのでしょうけれど、成功は失敗と表裏とすれば、大成功は大失敗と背中合わせだし、大恋愛は大失恋と背中合わせじゃないですか。

昭和生まれのワタシの考えなどは、とても現下の人々の役に立つ話などではありませんが、ワタシは「仕事とは、人と知り合う場」程度でしか考えていませんでした。もちろん食えなければ困るので、それなりの貢献(自分が考える程度の)をしさえすれば、後は面白いことを気の合う仲間とするのがいいくらいでしか職業を捉えていませんでした。

そんな姿勢では、テレワークの時代の労働者には、とてもなれそうもありません。だって、無線のトランシーバまでは、なんとなくわかりますが、携帯電話が北海道だろうが大阪だろうがつながってしまうという原理は、未だにわかっていません。

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すっかり時代から取り残されていることを実感しています。

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