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科学

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コーリーの毒

さぼ郎
ウィリアム・コーリーというヒトがいて「コーリーの毒」として名を残しています。

ウィリアム・コーリー
wiki「ウィリアム・コーリー」にリンク ↑
コーリーは フレッドという肉腫患者が今日化膿レンサ球菌として知られる丹毒に感染し、高熱を出した後に腫瘍が消失したことに気がついた。
ロベルト・コッホ、ルイ・パスツール、エミール・アドルフ・フォン・ベーリングなどの医学の先人が、丹毒感染に伴う腫瘍の退縮を記録していることを発見した。
ということで、自分の患者で扁桃と咽頭に腫瘍がある患者に対し、初めての丹毒を意図的に感染させる治療を行ったところ、症状は著しく改善し、その後8年半の間存命したとのことです。

肉腫の患者が丹毒(溶血性連鎖球菌による感染症)にかかって高熱を発した後、丹毒が治癒すると肉腫も消えていたことから、コーリーは発熱によって肉腫が消えると推定し、丹毒を使う治療を重ねたようですが、成果も上がった反面、丹毒によって命を落とす患者もいて、危険な賭けとなってしまいました。

実際には発熱が腫瘍を減縮させていたのではなく、TNF(Tumor Necrosis Factor)、腫瘍壊死因子と呼ばれる、サイトカインの一種の作用だったようです。マクロファージにより作られ、固形癌に対して出血性の壊死を生じさせるとのこと。

TNFについてはwikiに説明がありますが、難しくてお手上げです。

時期を同じくして放射線による治療が成果を上げだし、「コーリーの毒」は敬遠されるようになってしまいました。

丸山ワクチン」もその一種になるようです。効くの効かないのといった話を耳にした覚えがありますが、日医大に行くと丸山ワクチンの受付窓口があるので、有効性があるのでしょう。

丸山千里さんは1901年(明治34年)生まれで1992年(平成4年)に亡くなっています。

丸山ワクチンの効果はどうかというと、1976年にゼリア新薬工業から厚生省に申請が出されていますが、1981年に不承認になって現在に至っているようですが、異例の有償治験薬として患者に供給することを認めているので、日医大でも受け付けているわけです。

癌に対しては一般的には化学療法が行われますが、副作用もきついというのがよく聞く話です。それに対して丸山ワクチンは体内の免疫を活性化することで癌を抑制するのだそうで、腫瘍の縮小率よりも延命効果で捉えるべきとする考え方もあるようです。

2018年現在、丸山ワクチンは大規模臨床試験の段階に入っているようで子宮頸癌においてプラセボとの比較として5年生存率は10%以上の差があるようです。

この丸山ワクチンもヒト型結核菌から抽出された薬剤で、開発されたのは1944年のことのようで、支持者は末期の癌で延命効果があると主張しているようです。

ちなみに、ワタシの膀胱癌の再発抑制にBCGを使うのも免疫活性のためのようで、なぜ、膀胱癌にBCGで免疫が活性化するのかの原理は分かっていないようです。

いま、ブルーバックスで「抗体医薬と自然免疫の驚異」という本を読んでいます。免疫という仕組みが動物に備わっていなければ、すべての動物はとっくに死滅しているはずです。

免疫の作用も素晴らしいのですが、同様にインフルエンザという風邪のウィルスも凄いです。

スペイン風邪が大正時代に世界中で流行り、4千万人が死んでいるのだそうです。しかし、このスペイン風邪の致死率に比べると、鳥インフルエンザの致死率は圧倒的に高いのだそうです。

この鳥インフルエンザがどのように起きるかと言うと、そもそもは水鳥の腸で繁殖するウィルスが家禽類であるニワトリに伝染すると、若干の毒性を発揮する。その糞が豚に摂取されると豚の体内で増殖する。

ニワトリ

同時に、この豚にヒト・インフルエンザが感染すると、豚の体内でトリ・インフルエンザとヒト・インフルエンザが増殖することになり、MIXによって突然変異が置き、時として非常に致死率の高いインフルエンがになるのだそうです。

よって、ニワトリにトリ・インフルエンザが感染すると、豚を介在して致死率の高いインフルエンザになる前に、殺処分をしているわけです。

本によれば、トリ・インフルエンザでニワトリは下痢などを起こすものの死には至らないというような話ですが、テレビなどではニワトリが死にだして大騒ぎをしているような感じです。どちらが正しいのかはわかりません。

ウィルスが変異して動物を襲う仕組みもさることながら、それに対抗して抗体を作り出すことで免疫が細菌やウィルスと戦うことも凄いことだと思います。

一日に何千という癌細胞を免疫が排除しているという話を聞きますが、そもそも癌細胞は自己の細胞でもあるので異物では無いわけです。これをどのように免疫が排除するのかは不思議な話です。

また、自己免疫の疾患によって膠原病の一種である関節リウマチというような疾病もあるわけですから、やたらと免疫を活性化すればいいというわけでもないようです。

バランス(調和)とは、違う見方からすれば拮抗でもあるわけで、生命なども最たるものであると痛感いたします。老化というのは、調和が崩れることでもあり、生と死の拮抗に置いて死の力が勝ってきつつあることを実感しています。

バランス

ただ、若年と老年との数のバランスというのもあって、今の日本では老年が若年を追い詰めています。若年人口が減少すれば、内需は縮小し消費も衰え、労働人口が減り優秀な人材は海外に逃げ出すようになり、物価は収入にかかわらずに上がりだします。

政府と日銀は2%の物価目標が達成できないとしていますが、それは、物価に対する圧力があるからで、今に歯止めが効かなくなるくらいに物価が上がりだすことは自明なことと思います。

団塊世代が消滅し、団塊ジュニア世代が消滅する頃には貯蓄は1000兆円なども維持できるはずもなく、国の借金は当てにしていた国民の預貯金を大きく上まわり出すようになると国債の金利も高騰してくるわけです。

資産のある人は、いずれ資産を海外に逃がすことを研究することになるでしょう。不動産を持っているヒトは、高値のうちにお金に変えることも検討の余地がありそうです。資産も不動産もなければ、単に厳しい老後が来るだけのことですので、その場合は、生と死の拮抗が死の側に押されるだけのことでしかありません。

資本主義の世界では、それもバランスのうちのことでしかありません。貧しさは死神と友達のようです。昔から「貧者必衰の理」というじゃないですか。

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