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「異次元緩和の終焉」という本

さぼ郎
週末に「アベノミクスの功罪」というテーマで飲み会をやることになりまして、なにかができることなど全く無いので興味がありませんでしたが、とりあえず、図書館からそれらしい本を借りてきました。

それが野口悠紀雄さんの「異次元緩和の終焉」という本です。

野口悠紀雄さんの本は、わかりやすくて読みやすいのがいいのですが、さすがに金融政策と財政政策ともなると、言葉遣いは平易ですが、中身はかなり難しい気がします。

ま、経済とか金融などという稀有な話題には、いままで全く興味を持ってこなかった(持てなかった)こともあって、なかなか理解が伴いません。

まず、感想。

ハードカバーは不要と思います。時事ネタなわけだからソフトカバーにしてもらったほうが持ち歩きがしやすい。

261ページだと言う割には厚い。紙が厚いせいだと思います。出版社としてはハードカバーにするために厚さを盛っている気がします。

中身を平易にするためには、もっとページ数を減らしてほしい。200ページ以内に収めてほしい。図表も少なくないはありがたいですが、いかんせん、説明が冗長で、急いで要点をつかみたいのに、どこがポイントかが、瞬時に認めにくい旧来の構成の本だと思います。

結論からすれば、アベノミクスの「」は、株価を上げたこと。円安にしたことで輸出産業に多大な利益貢献が出来たこと。

」は、マイナス金利で銀行を痛めつけたこと。日銀が膨大な国債を持ったことで償還において多大な支出が予想されること。

金利が上昇すれば、日銀は多大な損失を出すこと。

国債だけでなく2018年4月2日の日経新聞では、日銀が持つ株式が24兆円だそうで、日本の株式の4%を保有しているのだそうです。ようは、株価を操作的に上げることで景気が良いと消費者に思い込ませることで物価の2%を達成しようという目論見のようですが。こんなことは中央銀行がすることではないように思います。

株価はたしかに上がっているので、額面上では利益が出ていまるようですが、実際に日銀が株を手放すとすれば、株価は下落するので、今後、どうするのかは不明です。

ということで、野口さんの言い分としては、功罪でいうなら「」のほうが大きいという論調にならざるを得ないのだと思います。

しかし、そうはいっても、世間を見回しても、ヤバそうな気配はありません。インフレ目標の2%を黒田さんが総裁になってから言い続けているのですが、一向に達成できないのに、続投されています。

メディアが、警鐘を鳴らしてもいません。

来年には消費税2%増税をするのだそうですが、プリンストン大学の先生も、インフレ目標が達成できるまでは増税は絶対にするべきではないと主張しています。

用語として「マネタリーベース」と「マネーストック」という重要な言葉があるそうで、マネタリーベース」は現金と金融機関が中央銀行に預けている当座預金の合計だそうです。

マネーストック」とは、細かくいくつかの定義に分かれるようですが、簡単にいえば、現金と預金の合計だそうです。

日銀が銀行から国債を変えば、当座預金が増えるので「マネタリーベース」が増えますが、市中での資金需要が増えなければ「マネーストック」は増えません。

アベノミクスでは「マネタリーベース」が巨大になりましたが、国内の資金需要がさほどの伸びを示してはいません。ここをどうにかしないと、実態の景気が良くなるわけではなく、当然のことながら賃金が上がることもないわけです。

こんなことは、野口さんの難しい本を読むまでもなく、素人にも分かる話です。

偏差値の低い政治家は、ちょっと頼りになりそうもないので埒外に置くとして、偏差値の高い官僚が、なにを考え、どのようにしようと思っているのかの解説がほしいところです。

評論家のラジオ放送をYouTubeで流していくのを聞いても、好き勝手を断定的に面白おかしく言っているだけで、ストンと落ちる話は殆どありません。

金融緩和に出口がないかのような論調ばかりですが、評論家よりも遥かに偏差値の高い官僚が政治家を下僕にして考えているのだから、よもや間違いはないとは思いますが、大東亜戦争を考えてみると、官僚を信じていいものなのかは今ひとつ不明です。

景気が良ければ実力がなくても面白おかしく生きられるのだから、ぜひとも景気を良くしてもら得ることを切に願うのですが、実力のない政治家が君臨している平成の時代の終焉とともに、新しい時代には、政治の有り様も刷新してほしいと思います。

それにしても「終焉」はいつなのか? 本当に日銀の緩和政策には出口がないのか? アベノミクスで富裕層だけでなく、下々までがトリクルダウンのゴリヤクを享受できるのはいつなのか?

野党は当面期待ができないので、せめて自由民主党のなかでの活発な議論と切磋琢磨で、官僚言いなり政治から脱却してほしいと思います。

自分を含め、よく喋る人の話は信用ができません。理由は明確で、よく喋るためには自分の考えだけでなく「埋め草」で話を埋める事が多いと思うからです。

何に関してもすべからく意見があるわけでもなく、にもかかわらず、さも意見があるかのようにありったけの知識を動員してしゃべるわけです。そして、喋っているうちに自分の意見になってくる なんてパターンは、結構あります。

逆に、いままで出会った人で、本当に賢い人の言葉は少ないです。たくさんの言葉を尽くして語ろうとはしない。違う言い方をすれば、自分の思いや知識を言葉に乗せることの無意味性を知っているからなのだと思います。

それを知らない人、理解できない人は、自分の優位性を示さんがために、よく喋ることになります。

文章も同様で、要点をうまくまとめて、言葉が少ないほどに何がいいたいのかが見えてきます。逆にアメリカ人の書く本は、ともかくページ数が多い。辟易としてしまって、逆に読む気がしません。

伝えたいことがあって本を書くのだから、もったいないと思います。1日中、本を読んでいられるような身分の人は少ないと思います。

これは提案ですが、ビジネス書の基本はソフトカバーで200ページ以内、千円前後を心がけてもらえると嬉しいです。

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