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視点

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たこつぼ

さぼ郎
アメリカにある右派のニュースサイトに「ブライトバート」というのがあるのだそうです。トランプ氏の支持層では、このブライトバート」の記事が、保守系の従来メディアを遥かに上回る頻度で共有されていることがわかったのだそうです。

ブライトバート
wiki「ブライトバート」にリンク ↑

それに反してクリントン支持層は、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、CNNなど従来にメディアを中心に分散していたのだそうです。

そもそも、ブライトバートの原点は、「既存のメディアは反イスラエル的すぎる」として「自由で親イスラエルなニュースサイト」を構想したことから始まったとしていますが、そのことは問題の核心ではなく、どのように集約され拡散され共有されたかがポイントになります。

ブライトバートが流したフェイクニュースでクリントン氏がワシントンのピザ店で児童買春をしたという記事を掲載したところ、トランプ氏の支持者がライフルを持って、そのピザ店を襲撃したのだそうです。

支持者にとっては、事実であるかは無関係で支持者によって共有されている情報であることのほうが価値が有ることになるわけです。

SNSは誰でもが自由に発信できることで多様な意見が発信されているかのごとくであるわけですが、実際には同じ意見を持つヒトの情報を共有し、お互いに反響しあう増幅の集合体(タコツボ)になっている懸念があるようです。

現実には多様な情報がいくらあったとしても、選別する段階において自分にとって都合の良い情報だけを信じる傾向が鮮明になっているようです。この「選別」「集約」「共有」「共鳴」が情報の「タコツボ」化を起こしているというわけです。
タコツボ
本来、少数派だったはずの意見が、似た考えを持つ人達の間で共有され発信しだすと、あたかもそれが多数派の意見であるかのように見え、それを視聴率欲しさにメディアが取り上げることで「増幅」され社会現象になってしまうことも少なくないようです。

面白いことに、信じている情報が虚偽だと指摘されると、更に強くその情報を信奉するようになる傾向もあるようです。

啓蒙」と「迎合」という視点があります。本来であるなら、発信主体には、それなりの考えがあるわけです。その考えに基づいて、読者を啓蒙していくというような使命もメディアには課せられていると思うのです。

もちろん、啓蒙も度合いによりますが、知るべきことを知らしめるというレベルです。

しかし、昨今のメディアを見ていると、いささか「迎合」の度が過ぎていて、とどのつまり読者、視聴者の興味関心を掘り当てることに血道を上げ、少し「共振」が得られたら、ここぞとばかりに「増幅」するという、節操もなく「迎合」を極めているかの傾向を感じます。

こうしたことの弊害は、客観性を失った2極化を招きやすいように感じます。

日経サイエンス2017年7月号の51ページに「少数意見が世論を作る」と言う囲み記事があります。

それによりますと、五輪のエンブレム問題を解説しています。一連の騒ぎのきっかけは twitter による「バースト」だったそうです。

盗作であることを非難している300万件の書き込みを追跡調査したところ、「自由民主党」「日本共産党」「日本」などのキーワードで特徴づけられる政治コミュニティに属する人々から発信されている事が明らかだったそうです。

広く社会的な注目を集めたかのようですが、実際には政治コミュニティー・マターであったというわけです。

ここに、迎合主義のメディアが乗っかることで、通常はどうとも考えないような人々までが「けしからん!」となってしまったのが真実のようです。

メディアの報道が、事実関係の冷静な報道ではなく、「共振」「増幅」の役割を果たしていることも見逃せません。

熱心に意見を発信することで、時には増幅され、真偽はともかく「事実化」していくのが、SNSなどの持つ力だといえます。

安倍内閣は、ちょっと前までは何をしても支持率が80%とか言われていたのに、加計学園問題であっという間に30%を下回ってしまったわけです。これも本当に多数意見なのか、少数意見なのかは、メディアが介在する以上、真偽を確かめようもありません。いずれ、自主調査でもしてみようかと思っています。

客観性、中立性を確保するために、安倍政権が最も軽んじたことが「透明性」であったように思います。森友学園においても、「記録はない」「記憶もない」といい続けていた官僚が国税庁長官に栄転したことは、とてもマイナスだったと思います。

加計学園問題でも同様で、内閣府には一切の記録がなく、首相官邸でも記録は遅滞なく廃棄しているというのは、記録を残すことで不味いことがあるからだと、裏を考えられてしまうわけで、とてもやり方が不味いと思いました。

そのくせ、文科省が残した記録のことごとくがフェイクであり、山本大臣によれば文科省から出向している課長補佐が文科省にご注進したと部下を貶める発言に、文科省の大臣、副大臣がお詫びにまで行くというのですから茶番を通り越して、権力におもねる連中の気持ちの悪さを感じました。

安倍内閣の延命(する気があるのであれば)としては、内閣府の関与したマターに関して、第三者による徹底した調査と情報公開を首相が命じることで支持率はかなり回復できると思います。

透明

なぜなら、国政では当面選挙もないし、仮に選挙があっても受け鞘が無いわけですから今がチャンスで、泣いて馬謖(ばしょく)を斬る覚悟で、首相に良かれと思って「ソンタク」した人々も、徹底した処分をすることで不支持に回った「こんな人達」を呼び戻すことができると思います。

読売新聞の前川さんを貶める記事には、官邸とメディアのあり方が垣間見えて本当にがっかりしました。根拠はありませんが、安倍さんとナベツネとで決めたことじゃないかと思っています。

逆に東京新聞の望月衣塑子さんの頑張りは、あの馬鹿らしい大本営発表の記者クラブの雰囲気を変えることで痛快でした。読売の部数が減って東京新聞の部数が増えていればいいのですが、実際にはどうなんでしょうか?

もし部数が伸びていれば、記者クラブのあり方も少しは変わってくるのかもしれません。

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