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顔認証と治安維持

さぼ郎
中国では顔認証が進んでいるということです。それに対して国民は、「悪いことをしていなければ問題ない」「悪いことをしている人はすぐ捕まるから治安が良くなった」と喜ぶ向きが多いようです。

頓活

日本の街中に顔認証カメラを付けたら、治安が良くなると喜ぶ人とプライバシーを侵害していると怒るひととで、どちらが多いのでしょうか。

最近本で読んだのですが、中国上海のスターバックスではカウンターに顔認証カメラが設置されており、オーダーカウンターの前に立つと、顔を認証して、即座に今までの注文履歴を参照して、「コーヒーはローストですよね?」のように聞いてくるのだそうです。

中国では、無人レジの価値は、レジに人を置かないで済む人件費の軽減ではなく、金銭のやり取りなどはモバイルで決済すればよくて、その分、コミュニケーションにリソースをさけることに重点を置くのだそうです。

たしかに、コンビニの人件費では、レジのコストより品出しとか商品期限管理などに多くのリソースが必要で、レジを無人にしたぐらいで浮くコストはしれている気がします。

しかし、すべての購入履歴から、挙げ句は店舗内の行動までをデータ化して分析するようなことから、店舗の効率改善に供するのだと言われてもなんだか、「監視」されているような気がしなくもありません。

頓活

そもそも、中国でモバイルがこれだけ浸透したのは、奥地にまで通信網が整備されておらず、無線のほうが都合が良かったことがあったようで、一気に浸透しました。

モバイルとは言え、れっきとしたコンピュータなので、先ずは決済に利用されたわけです。これも、銀行の窓口が全国土的に網羅されていなかった背景もあったことが幸いしてします。

これで、顔認証は完備したし、モバイルが完備し、同時に決済が完備して見ると、すべての国民の行動(移動から消費、趣味嗜好、果ては思想だって類推は可能)をデータにすることが可能となったわけです。

このデータを国家が管理できるわけで、例えば、国家が問題と思えばそのヒトの所在もわかるし、銀行口座を止めることだってできるわけです。

するかしないかは不明ですけど。

戦前の日本に「治安維持法」という法律があって、文字からすれば国家の治安を維持する法律なら大いに歓迎のような気がしますが、実際には「国体(皇室)や私有財産制を否定する運動を取り締まることを目的」だったようで、共産主義革命運動の過激化を抑制することに使われ、やがて宗教団体や、左翼活動、自由主義、市民運動などへも適用対象が拡大されていったという経緯がありました。

また、中国の話になりますが、保険会社が保険商品を売るためにスマホのアプリを開発し、開業医のデータベースを作り、アプリの使用者が病状をスマホで訴えると無料で開業医が問診してくれて、病医院に行くべきと判断されると、アプリで検索すると、地図上に解決してくれそうな病院がプロットされるのだそうです。

病院をクリックするとスタッフの出身学校や経歴などが示され、かかったひとのスコアも表示されるのだそうです。スコアを良くするために開業医も努力をするようになることも望める。

そこで、良さそうな開業医を選択すると、予約状況もわかるという便利なアプリを無料で営業マンが配って登録までしてくれます。

当然のことですが、アプリの操作は保険会社のデータとして獲得され分析されます。タイミングを見計らって保険会社のデータベースから営業マンにどのような商品をどのように説明するべきかの指針が示されるという仕組みです。

頓活

それすら人間がやるよりはAIになっていくことは必至です。

一見、どこにも問題が無いようではありますが、既往症まで営業マンが知るところとなるわけで、便利ではあるけれど、そこまでは知られたくない情報まで取られてしまいます。

さらには、万歩計のアプリまで健康推進として配布され、歩くほどにポイントが貯まる仕組みで、そのアプリでなにかに交換できるのだと思いますが、1日に1回必ず歩いた歩数を登録しなければならないわけで、それを何億のヒトが毎日1回登録するために画面を開くなら、そこに広告が出せるわけです。

さっきのスターバックスの顔認証にしても、保険会社のアプリにしても、デジタル社会の進化が、果たして人間社会における人間性を豊かにしてくれるのかが疑問になってきます。

逆に豊かになれるのはスコアが高い人達で、たしかに、その意味では有用ではあります。

頓活

しかし、それとて、限度を超してくれば人間性においていかがなものかと思わざるを得ません。

つまり、デジタル社会は、きっと人間を幸福にはしないような気がしています。とどのつまりは「監視」社会であり、スコアで評価されるだけのこと。そのスコアもAIが決めるわけですから。

だから、スマホは電話とメール以外には使わないようにしています。というか、アプリがどうのと言われた途端に面倒になってしまいますから、かろうじて人間性を保てています。



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