PAGE TOP

科学的

印刷する

日経サイエンス 2019年12月号

真実とは何か

さぼ郎
日経サイエンスの2019年12月号の特集は「真実と嘘と不確実性」というテーマです。

頓活

面白そうと思って記事のページをめくりました。第一部は「真実を問い直す」というタイトルになっていて「物理学におけるリアリティ」「数学は発明か発見か」とあって、「脳が現実を作り出す」という流れです。

最初の2つに記事には興味が持てなくて、脳が現実を作り出す」という記事を読み始めました。

プラトンの「洞窟の比喩」から始まってカントに至るまでの概説と、脳が予測的知覚によって最良の推測(ベイス推定)をしているという話です。

ベイス推定とは、
観測事象(観測された事実)から、推定したい事柄(それの起因である原因事象)を、確率的な意味で推論することを指す。
ということで、詳しい話はよくわかりませんが、予測と現実の違いを「誤差」として受け止め、必要に応じて推測情報を更新しているという話です。

最後まで読もうとは思ったものの、まず、文書が読みにくい。長い。長過ぎるので辟易として途中で読むのをやめました。

なんで、もっとシンプルに書けないのかがとても不思議です。通常の論文のように抄録を最初に上げて興味があれば全文を読むような書き方にすれば需要が増える気がします。

で、脳が予測している現実と、本当の現実には過誤、乖離があるという話のようですが、それが特に珍しい話とは思えません。

脳で起きていることを科学的に説明しようとすること事態、噴飯もので、脳で起きている詳細なことは殆どわかっていないはずです。それを哲学として説こうというなら何となく分かるのですが、科学で説明するなら、ほとんどが推論になってしまいます。

つまり、いくら力説したところで一つの説でしかないわけです。

記憶とは実に曖昧なもので、自分が実際に行ったことや言ったことですら歳月の中では曖昧になっていきますが、どうかすると第三者がそのことを第三者なりに覚えていたりすると、自分はその場面に存在していなかったこととほぼ等しいことになります。

あるいは、間違って覚えていることも決して珍しくはありません。

何がいいたいかと言うと、「現実」とは、「」を含めた僅かな時間の前後であって、過去に関しては「記憶」でしかなく、それは脳が作り上げた場面の連続でしかないわけで、「現実」を「事実」と言い換えるなら、決して客観的事実ではないわけですが、当の本人にとっては「事実(主観的)」として認識しているわけです。

よって、出来事は観念的事実になっていくわけで、それを支えているのが「」の役割だと思っています。

頓活

準強姦で民事裁判で負けた山口敬之サンの記事があり、そこで「レゾンデートル」という言葉がありました。
「日本批判を続ける事が朴大統領のレゾンデートルとなって、慰安婦問題が彼女自らの反日姿勢を証明するツールとなった」
記事の内容は山口さんが文春に投稿した韓国軍がベトナムで軍として慰安所を運営していたという文書を米国の公文書館で見つけたという記事でしたが、それにはあまり興味がなくて、この「レゾンデートル」という言葉に興味を持ちました。

辞書的には、
自身が信じる生きる理由、存在価値を意味するフランス語の「raison d'etre」をカタカナ表記した語。他者の価値と比較して認められる存在価値ではなく、あくまで自己完結した価値を意味する。
と有りました。つまり、「自己完結した価値」が自己の「存在価値」を意味するということのようです。

脳の予測」や「脳が生み出す確信」が、自己の存在価値にまで固着するようにな「自己完結した価値」となると、度が過ぎることで狂気を帯びてくる(狂信的という意味)ことも否定できないような気がします。

自分がそのような「確信」を抱くこともあれば、全く気がつかないところで、そのような「確信」を持たれて恨まれるようなこともあるわけです。

頓活

このことは思想もそうですし、宗教もそうですし、政治の信条などもそのようなもので、立場を鮮明にするほどに「自己完結」していくのではないかと思いました。

第2部は「嘘という行為」という特集で、「嘘を付く動物たち」「デマ拡散のメカニズム」「腐敗は伝染する」「選挙を狙うハッキング」という4つの記事が掲載されています。

デマ拡散のメカニズム」を読もうと思いましたが、やめました。文書が読みにくい。長い。長過ぎるので辟易として途中で読むのをやめました。

アメリカ大統領の選挙においてロシアが介入してトランプを有利にしたというような話があります。これって、結構信憑性がある話で(ロシアがやったのかは別として)ネットで流れる情報を取捨選別する際に「」が予断を与えるので、その予断に合致する、あるいは延長上にある話は「真実」として自分が獲得した情報として再掲載することは大いにある話です。

ニュースのもとが新聞社やテレビ局の事もあれば、評論家や学者のこともあれば、市井の論客のこともあるわけです。つまり、出どころのエビデンスは曖昧であっても、情報提供として拡散していくわけです。

YouTubeなどで再生回数を見ると、ビッグネームの人たちは、それだけですごい数の再生をしています。それだけ影響力があるわけです。彼らをノードとすれば、影響力を行使することが簡単にできることは、このネットの時代の特徴でもあるわけです。

さて、次は「腐敗は伝染する」です。いま、IRをめぐる汚職で国会議員が逮捕されています。真偽の程は不明ですが、記事によればほとんどの人が自分の得になると同時に道徳的な自己像を失わなければ非倫理的行動を示すようです。

記事によれば、いろいろなテストを通してデータを採取して、報酬を高額にすると低額のときより不正が増えると報告しています。

頓活

これは脳の報酬系が不正を示唆するわけで、報酬系は主としてドーパミンが担っているわけですが、このドーパミンは様々な依存症の根源を形成しており、不正行為はエスカレートしていくのだそうですが、これもドーパミンの分泌により刺激(不正の場合なら罪悪感)は恒常化し、より刺激を求めて大胆な不正を行うようになるわけです。

これぐらいのことなら、こんな長文を読まなくても済みそうなものだと思います。

そういえば組合のお金(推定6億円)を着服して馬を6頭購入したという女性がいたようですが、不正の罪悪感がドーパミンの作用によって打ち消され、着服した金銭を獲得するという脳の中の「報酬」が徐々に度を増して言ったわけです。

頓活

着服するという不正を行うことが悪いのは当然ですが、度を越す前に発覚できない組織にも手落ちは否定できないように思います。

第3部は「深まる不確実性」という特集です。これは掲載するだけの有用性があったら、いずれ記事にします。



キーワード