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頓活

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レコード・マネジメント考

さぼ郎
文書管理において混同されやすい用語がいくつかあります。まず、「レコードマネジメント」という語があります。

基本的な考え方はアメリカから来ており、発生の経過をたどると「ファイリング」という用具、つまり、バーチカル・キャビネットと紙文書を厚紙で挟み、インデックスを付けて並び順で管理する手法が生まれます。

この時点では、数多ある文書をどのようにするかが最大のポイントでした。

その後、概念としての「レコード・マネジメント」が生まれます。この時点のレコード・マネジメントの考えの範囲がどこまでだったのかは不明ですが、おそらく、「リテンション」が中心的命題となったのではないかと思います。

リテンション」とは、「保持・維持」という意味で使われる言葉で、ようするに文書をどのように「保持・維持」するかを考え、運用することが「レコード・マネジメント」の中核をなすのだと考えられます。

アメリカで発生しているということは、雇用も流動的なわけで、それ故にドキュメント文化として日本のはるか先をいく考え方であると同時に、きちんとしたルール化がされていたと思います。

どのようなことを記録し、保存し、どのような条件に合致すれば廃棄しなければならないか、などの規定を含や、関係者・関係組織の責任体制まで規定した運営をプログラム化していく上で、先行する「ファイリング」が、とりあえずは便利であったことから「レコード・マネジメント」があたかも「ファイリング」であるかのような誤解につながっていることがあるような気もします。

ちなみに、台東区の図書館でキーワード検索して見ると、「レコードマネジメント」だと「0件」で、「文書管理」だと「33件」。「ファイリング」だと「57件」となります。

なんと、そもそもの「レコード・マネジメント」は惨敗です。

インターネットではどうでしょうか。「ファイリング」が「855万件」。「文書管理」は「9,380万件」。「レコードマネジメント」は「572万件」となりました。

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つまりは、圧倒的に「文書管理」が多く使用されています。

ようするに日本では「レコードマネジメント」という本流の概念よりも、「文書管理」という、よりフィジカルな、違う言い方をすると「紙文書」の管理をコンピュータシステムで管理しようとすることから端を発しているような気がします。

その意味では「ファイリング」は、あまりコンピュータシステムとの関連で語られることが少なかったのではないでしょうか。

同時に、どういうわけかはわかりませんが、「レコードマネジメント」という言葉は、日本では定着していないようです。

つまり、「レコードマネジメント」というよりは「文書管理」であり、「ファイリング」というよりは「文書管理」なのが、一番、一般的な解釈のようです。

ここへきて、この数年で、紙文書の「電子化」が言われるようになりました。スキャニング、PDF、OCR、AIなどの言葉が飛び交っています。

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現実には、行政文書は、この青のグラフほどにあって、減ってもいません。政府の提唱だし、時代の趨勢としても、いずれは電子媒体が増えてくるのでしょうけれど、当面は、紙媒体の文書及び文書ファイルを管理しなければならないことは避けようのないことと思います。

とはいえ、現実に場所を取り、捨てない限り物理的に存在する「紙文書」と、ストレージに格納する電子化した文書とを、一元管理することは不可能だと思います。

紙の文書」は、ペラで管理することはありえなくて、似たものを集めて「ファイル」に綴じることが、オフィスにおける普通の風景です。

キャビネットに、背ラベルをつけたパイプ式ファイルやフラットファイルがおかれているのが、一般的なオフィスです。その文書ファイルと、サーバーのフォルダに入っている文書ファイルを一元管理することは、どう考えても無理があります。

二元管理するならば、ありえない話ではありませんが、「レコード・マネジメント」に立ち返って考えてみると、リテンションスケジュールもたしかに重要な要素でありますが、いちばん重要なことは、「どの文書ファイルをどのように管理するか」「組織の知恵をどのように共有化し継承していくか」なのだと思います。

セキュリティ、認証、改ざん などということの対策は枝葉末節な話でしかなく、単純に技術論として解決可能は話ではないでしょうか。

ワードクラフトの「頓活」は、まず、「背ラベル」を重視します。そのためには、「背ラベル」に印字する項目を登録しなければなりません。印字する項目にはリテンションやロケーションに関する情報も登録することになります。

単純な管理と、「共有」や「継承」といった上位概念を混在しないことが現実に即したマネジメントの第一歩になるべきだと考えています。

ワードクラフトが言う文書管理では、「共有」とは「共有スペース」で管理することで、「継承」とは、「保管」「保存」の間の保持のことと単純に割り切って考えることから始めるべきではないでしょうか。



至福の隙間さんによるイラストACからのイラストをアイコンに使用しています。

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