雑感
十文半

「靴のサイズは?」
「十文半(トモンハン)です」
と言ったら、今どきの靴屋の店員さんは文数がわからないのだそうです。実際には、
1文=2.4センチ
正確には「8分」の事のようです。
尺貫法というのがあって、
1里=36町≒3927.272m1町=60間=360尺≒109.090m1間(歩)=6尺≒1.81818m1尺=10寸=10/33m[10]≒0.3030m1寸=10分=3.0303cm1分=0.30303cm
1丈=10尺≒3.0303m
1文=8分=2.4cm
これは、「1文という貨幣の直径が約8分(2.4cm)」であったことからサイズにも使われるようになったようです。
ということで、「10文半」は「25.2cm」になります。
余談ですが、「1丈」という単位は、木材などで使われています。例えば柱。今どきはどうなのかはわかりませんが、通常の柱は「1丈=3.03m」を使いますが、でかい家等には「丈三」「丈六」といって、1丈3尺や1丈6尺の柱を使ったりしていました。
平安鎌倉などの彫刻などにも「丈三」「丈六」という単位を使って彫刻の高さを説明してあることを見かけます。
面積を表す単位で「坪」という単位はいまでも普通に使われています。「坪」は「1間1間」なので、3.30平方メートルになります。これを2畳として換算するので「10坪」といえば「20畳」とイメージができ、おおよその広さが把握できます。

体積を表す単位では、居酒屋などで「合」は普通に使います。「1升=10合」となり、1升は1.8リットルとなります。ワインなどは720ミリリットルなら4合になるので、もし、ボトルで2000円と言われると1合500円になるので、そこそこいい日本酒が飲めます。
最近流行りの吟醸酒で1合800円位で考えると、ワイン1本3200円出すなら相当いい日本酒が飲めることになります。ワインには不純物が含まれるのでたくさん飲むと悪い二日酔いになるかもしれませんが吟醸酒なら、かなり不純物が少ないのでアルデヒドの分量だけの二日酔いで済みそうです。

ついでに目方の単位で「両」というのがあります。小判は本来は金の目方を意味し「1両=10匁」で「37.5グラム」のことです。本日現在(2018.3.22)1グラム「4,894円」ですから、もし、小判が純金だったら小売価格は、
1両=183,525円
です。千両箱1個あれば「1億8千3百万円」持っているということになります。よく時代劇で代官と商人が「おヌシも悪いやつよの〜」という場面で、包み紙で包まれた小判を出しますが、アレは基本的には25両だそうです。
現代の価格で「460万円」になります。甘利さんが大臣室で受け取ったとされる金額からすれば、結構大きな金額になります。この件(甘利さんの件)も、曖昧なままになってしまいました。
似たような事件として美濃加茂市長の贈収賄事件があります。これは、控訴棄却で有罪が確定していますが、現在、民事裁判として進行中です。
政治が狂い出すと、司法も狂い出すのか、いろいろと社会の仕組みがおかしいことになっているような気がします。
これは、どこの国でもそうなんですが、長期安定政権というのが、国民の利益を最大化することができません。現下に繰り広げられているような「忖度」政治が必ず始まります。これは政治の宿命です。
しかし、この「忖度」が厄介な問題をはらんでいます。忖度するのが日本の最高レベルの頭脳集団であるということです。この頭脳集団が自民党の政治家を操って、相互の利益を最大化する仕組みを戦後70年かけて作り上げているので、野党という烏合の衆が束になってかかっても、偏差値の問題として籠絡させることは不可能です。
こういうときには、頭脳に対して頭脳で戦っても勝ち目はありません。「力」、「強権」が不可欠になります。いいか悪いかは別としてアメリカのトランプさんのような、「何を言っても無駄」級の政治家(できれば聖徳太子級が望ましい)が出てきて、官僚組織をスクラップすることが不可欠です。
「パワー」と「カリスマ」と「支持率」となると、世界で起きているポピュリズムになってしまいますが、大方破綻は目に見えています。このあたりが民主主義の限界なのかもしれません。