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「汚名」における「挽回」と「返上」の関係

さぼ郎
名誉

汚名」を「挽回」するという使い方は「誤用」だとする意見が根強くあります。「汚名」は「返上」するものであって「挽回」してしまったら、さらなる「汚名」になってしまいます。

名誉」なら「挽回」すべきで「返上」はしないと思います。

しかし、「挽回」という言葉には「巻き返しを図って元の状態に戻る」という意味があります。

汚名」を「返上」する場合は、「汚名」を与えた人や社会に対して「返上」するわけですが、「返上」することで、元のポジションに戻れるのかは甚だ不明です。

似たような言葉として「疲労回復」という言葉があります。「疲労」を回復してしまったら、さらなる疲労になってしまいますが、一般的には、疲労から回復して元気を取り戻すという意味で使われます。

そのため「汚名挽回」は「汚名を跳ね返して元に戻る」という解釈が可能なため、「汚名返上」と同じ意味として捉えることに違和感はありません。

汚名挽回」は誤用であるとするのは「名誉挽回」が正しい使い方であるからという観点からのことになるようですが、「名誉」は「回復(恢復)」ではないかとする指摘もあるようです。

その意味からすると「汚名」は「雪ぐ(そそぐ)」ものだとする考え方もあります。

雪ぐ」:当然のことですが、なぜ「そそぐ」という時に「雪」をあてるのかと誰でもが思うところです。ネットで検索すると、

石淋の味を嘗めて会稽の恥を雪ぐ

という故事で説明していました。

会稽(かいけい):中国浙江 省の紹興の南方にある山。春秋時代、越王勾践 (こうせん) が呉王夫差 (ふさ) に敗れた地。会稽。「会稽の恥

石淋(せきりん):腎臓や膀胱 に結石ができる病気。また、その結石。

しかし、呉王夫差に石淋を舐めるという行為が、今ひとつ分かりませんが、結石を舐めたのではなく、夫差の性器を舐めさせられるという屈辱を「石淋」という比喩にしたのでしょうか。

」を使った理由:元来、雨の下に「」という字が当てられていたのだそうですが、簡略化されて「」になったようです。「彗星」に使われる「」の字は、「刈りとった草の穂や竹の細い枝先をまとめてつくったほうき」のことだそうで、「彗星」も「ほうき星」と言われる所以です。

流れ星

どのような汚れも、掃き清めたが如くに真っ白にしてしまうことから「」と「」が、接近してきたのでしょうね。

恥を雪ぐ」なんていうと、日本的な感じですが、語源は中国にありました。

所詮、「名誉」には縁のない人生ですが、せめて「汚名」を着ることの無いような人生ではありたいと思います。

しかし、「名誉」とか「汚名」のような言葉が使われる場面を考えると、勇気が関わる場面で使われることが多いような語感のような気がします。

本当に勇気があって、名誉とか汚名とかとは関係なく、正義や平和のために正しいと思うことをするような人間に生まれたかったですが、どうも、そうした場面で、自分は臆するだろうと思っています。

よって、願わくは、名誉も汚名もかからないような、平穏な生き方で何くれとなく生活していけるようなことをひたすら望むばかりです。

ちなみに、「汚名返上」を使う人は38.3パーセントで、「汚名挽回」を使う人が44.1パーセントなのだそうです。ということは、どちらも、日本語としては通用しているのであって、どちらかが正しいとか誤用だとかいうほうが、おかしいのでしょうね。

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