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科学

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日経サイエンス 2018年1月号

さぼ郎
またまた日経サイエンスの概要報告です。

高橋淑子さん

冒頭の特集が高橋淑子さんという「発生生物学」の専門家です。

高橋淑子
高橋淑子さんにリンク ↑

現在は京都大学の教授です。「頭の中の理屈は、理屈でしか無い。相手は自然。つまらない人知をいつも超えてくる」とのこと。

天文学の幕開け

連星中性子星合体を観測」という記事です。そもそも中性子星と言うのは直径が20キロくらいで太陽と同じくらいの質量があるのだそうで、記事中では「ひとつまみがエベレストと同じくらいの重さ」なのだそうです。

天文学

そんな中性子星同士が合体する時の衝撃が重力波となって地球に届くわけです。

それについが、長々の解説記事が書かれています。そもそもでいうと、一体誰がこの記事を喜んで読んでいるのかが、とても疑問です。

文字数は概算で、12,800文字前後。

webで読ませられる記事の限界を2,500文字とするなら、なんと長めの記事の5回分です。

しかも、ニュートリノだのミラノだの、あるんだか無いんだか学者くらいしか知らない話が延々書かれています。

書く人は専門に研究しているから、思いの程をぶつけてくるのは仕方がないとは思うものの、編集段階で何とかするべきと思います。

まず、雑誌の判型として「A4」は大きすぎと思います。最適なのは「B5」じゃないでしょうか。

貴金属の起源をとらえた

およそ、6,000字前後。

物質が作られるプロセスに「sプロセス」と「rプロセス」があるのだそうです。「s」は「slow」で「r」は「rapid」。

貴金属

水素とヘリウム、一部のリチウムは宇宙誕生と同時に作られますが、そこから56番のバリウムまでは「sプロセス」で作られるようです。通常だと恒星の中心部での核融合で作られるわけです。

しかし、それでは希土類などが作られないようです。そこで「rプロセス」。つまりは中性子星同士がぶつかるとか、ブラックホール同士がぶつかるのようなイベントが必要になるらしいです。

統合失調症にいどむ
ゲノムを解析すれば統合失調症に関連している遺伝子を突き止められると考えていたそうですが、それは、ほぼ、外れになるようです。

統合失調症になってしまう有病率は、世界中どこでもだいたい1%なのだそうです。

そこで沢山の統合失調症患者と健常者の遺伝子を比較すれば、何かがつかめるはずと考えたようですが、特定はできなかったようです。

文字数が推定で、9,700文字。

カルボニルストレス

何が書いてあるかは不明ですが、概算で10,000字を超えています。ちなみに「カルボニルストレス」を検索してもwikiに内容で、J-Stageの論文が幾つか見つかります。

それほどの専門領域の話を、1万字使って誰(?)をターゲットにしているのか、がとても不思議な事です。

男女関係の神話

男と女の行動は生まれつき違うという話は説得力がないと言うことのようです。

男と女

文字数が約7,500字。

見過ごされてきた医学上の性差

前出の記事と真逆です。

男女差

睡眠薬でアンビエンというのがあるそうで、その主成分がゾルピデムというのだそうです。

アメリカのFDA(米食品医薬品局)は、女性について用量を半減したのだそうです。つまり、女性の場合、体内から消えるのに男性に比べて遥かに長い時間を要したからです。

また、女性の方が第制に比べて免疫系がしっかりしているのだそうですが、逆に、そのために自己免疫疾患を患う米国人の70%は女性なのだそうです。

股関節骨折の3分の1が男性だとか、いろいろ、疾病における男女差は、結構無視できないようです。

心臓の壁の厚さも男女で違うようで、女性は頻脈が多く、男性は不整脈が多ようです。

文字数は、およそ6,500字。

”才能”という罠

哲学には男が多く、心理学には女が多い。

才能

女性が取得した博士号のうち40%が生命科学分野。黒人などが取得した博士号の40%は心理学と社会科学だった。

文字数は、およそ8,200字。

内言の科学

文字数は、およそ7,600字。

内言

声に出さず頭のなかで自分に語りかけることを「インナースピーチ」「内言」というのだそうです。

声を出す独り言は「プライベートスピーチ」「私的発話」というのだそうです。

成人は内言が多く、思考の大部分を占めていると言われています。内的な精神生活の多くは言葉を伴っているわけです。

内言は、思考力や会話における調整などの言語能力に深く関わっていて、ロボットには無い能力であることは間違いのないところです。

麻酔手術の曙

エーテルを使って手術をするようになったのが1846年のことだそうです。日本では弘化という年号で、将軍が家慶(家定の父親、家定はNHK「篤姫」では堺雅人さんが演じました)、天皇は孝明天皇になろうかという辺りです。

皇女和宮が誕生しています。

そんな頃の手術なので、手術後、おおかたは感染症や合併症にかかりました。なまじに麻酔という方法を得たことにより外科手術が増え、その結果として死亡するケースも増えていったようです。

麻酔

記事によれば、手術しなければ19%だった死亡率が、手術をしたことで23%に増えたと書かれています。

これで3,500字。

まとめ

会話の短いヒトは結果を出す人が多い。というのは、いささかぶっきらぼうであっても「結論」を持っていることが多い。

それに比べて冗長なヒトは結果につながらない。なぜなら、会話に結論がなく、単に知っていることや気づいたことを並べているだけだから。

ワタシのことでもあります。

日経サイエンスの欠点は、ともかく文字数が多いこと。焦点が絞りきれていないこと。「知っていること」を、なんでもかんでもさらけ出すことがサイエンスだと勘違いしていることのように思います。

つまり、この雑誌は、出版社として結果につながらないし、読むヒトにとっても結果につながらないような気がします。

判型をB5にして、3段組を辞めて2段組にする。記事の文字数を減らして、多くとも4,000字以内にして、文字級数を12ポイントくらいにして欲しいものです。

で、このlインターネットの時代なのですから、「詳しい話はwebで」として会員制にするとかすれば、雑誌自体を500円程度にできそうに思います。会員からも会費を取る代わりに、動画を見せるとかイラスト見せるなどの差別化を図ればいいように思います。

雑誌の編集自体を帰納法で考えている限りイノベーションは置きず、紙媒体は時代の中で敗退していかざるを得ないと思います。

簡潔に要点をまとめてくれたら、どれだけ魅力のある雑誌になるのかと思うと残念ではありますが、とはいえ、ワタシは次号も目を通すことになります。


出版不況、雑誌販売の不振が深刻…初の10%減

雑誌販売
YaHooの記事にリンク ↑

1996年からすると1兆円のダウンです。つまり、時流に乗っていない。企画、工夫に結果がついていないことが歴然です。

旧態依然で、この手の科学雑誌系などは上から目線で編集していて、読者のマインドがつかめていないのと、帰納法的な編集から変革ができないことが、数字で現れています。

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