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公文書について考える

さぼ郎
公文書」といえば、言わずと知れたお役所で作る全ての文書が「公文書」になるはずです。違う言い方をすると地方であれ、お国であれ、公務員と呼ばれる人々が、お役所における拘束時間内に、職務を遂行する過程において作成した文書の一切は、「公文書」になるはずです。

公文書

なぜなら、公務員は私人ではなく公人であるからです。よって、公人が書く文書は「公文書」になるはずです。

公文書に関しては、昨年(2017年)、森友学園や加計学園問題において、内閣府を始め、関わる所掌機関(財務省や文科省や国交省など)が口裏を合わせたように(事実、口裏を合わせた)意思決定において重要と思われる文書をことごとく廃棄していたことには驚きを禁じえませんでした。

文書管理ができていないからではなく、どの文書が残されていればヤバイかが彼らの明晰な頭脳で分かるから、適確に廃棄していることは疑いようがありません。

つまり、「いずれヤバくなることがはっきりしているから法に触れない範囲で最大限、廃棄している」わけで、ある意味、適確な管理ができていてサスガだと感心しました。

ちなみに、世の中には「公文書管理法」という法律があるようなので、調べてみました。
この法律は、
及び独立行政法人等の諸活動 
歴史的事実の記録である公文書等 が、
健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、
主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、
国民主権の理念にのっとり、
公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、
行政文書等の適正な管理、
歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、
もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、
及び独立行政法人等の有するその諸活動を
現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを
目的とする。
と、随分長い文章で「目的」を述べています。つまり、現在の国民、そして将来の国民にたいして、行政機関が行った記録として説明する責任をまっとうすることを「公文書管理法」という法律の目的としているとは、書かれているようです。

公文書管理法なのに、どういうわけか「行政文書等」という言葉と「公文書」が入り混じりになっています。

ところが、第二条の「定義」になると、いきなり「行政機関とは」という言葉が唐突に登場します。行政機関についてごちゃごちゃ書いて有りますが、専門に飯を食っている人以外で正確に対象を把握できるヒトがいそうもありません。

第一項で「内閣に置かれる機関」と言いながら括弧書きで「内閣府は除く」となっていたり、続く第二項では、「内閣府、宮内庁」と内閣府設置法49条1項と2項で規定する機関ともなっています。

ちなみに、内閣府設置法49条を見てみると、「外局として委員会、局」を作れるとし、委員会の長は国務大臣が当てられるとしているから、諮問委員会も行政機関に含まれることになります。

第三項では国家行政組織法で決めている組織で、「行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁」となっています。

あとは、「宮内庁や会計検査院」が対象となりますが、立法府と司法は対象外です。

また、「独立行政法人等」というのがあって、別表1をみてみると、国立大学法人や中央競馬会や日本銀行など、いろいろ網羅されています。

第二条4項でやっと「行政文書とは」と出てきます。まだ、「公文書とは」にはなりません。

行政文書についてまとめてみると、
行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書
当該行政機関の職員が組織的に用いるも
当該行政機関が保有しているもの
「図画及び電磁的記録」も含むとのことですので、ワープロやエクセルの表、およびメールなども含まれるわけです。

組織

法人文書」というのも出てきますが、ほとんど「行政文書」と同じ定義になります。

ただし、「特定歴史公文書」は、行政文書から除かれます。6項には「歴史公文書」があって、7項には「特定歴史公文書」というのがあります。

この違いについては、別の機会に調べて報告するので、今回の記事から外します。

第8項でやっと「公文書」が定義されます。
一 行政文書
二 法人文書
三 特定歴史公文書等

以上説明なしです。そこで、「行政文書 公文書 違い」としたら総務省がヒットしましたので、少し解説ができます。

(1) 行政文書
行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているもの
(2) 法人文書
独立行政法人等の役員又は職員が職務上作成し、又は取得した文書であって、当該独立行政法人等の役員又は職員が組織的に用いるものとして、当該独立行政法人等が保有しているもの
(3) 特定歴史公文書等
歴史資料として重要な公文書その他の文書のうち、公文書管理法第8条第1項の規定等により国立公文書館等に移管されたもの

この3つが、国民に対する説明責任を負った「公文書管理法の対象」となる「公文書」になるわけでです。

ああ、疲れた!

何が1年未満の文書に当たるのかの定義もあいまいで、内閣府などには1年未満の文書についての規定すらなかった

とのことで、何をしても違法ではない状態にしてあったわけです。で、

 以下が改正のポイント 
・省庁と外部との協議の際には、可能な限り、相手に発言内容を確認し正確性を確保して記録する

・「保存期間1年未満」にできる文書は
(1)原本のコピー
(2)定型的・日常的な業務連絡
(3)意思決定の途中に作成し、意思決定に与える影響が極めて小さい文書
に限定
「意思決定に与える影響」の度合いは誰が決めるのか?

・一部の「1年未満」文書を廃棄する際には記録を残す
記録としての内容は、どこまで記録するのか?

・意思決定過程や事業実績の合理的な跡付けや検証に必要となる文書や、重要・異例な事項に関する情報を含む文書は「1年未満」とせず、1年以上の保存期間を設定する
重要・異例な事項に関する情報の定義が不明

・課長級の文書管理者が課ごとに文書の保存期間基準を定めた表を作り公表
守られているのか誰がチェックするのか?

・個人的な執務参考資料はアクセス制限をしたうえで個人用フォルダーに置き、合理的な跡付けや検証に必要な行政文書にあたる電子メールは共有フォルダーに移す
合理的な跡付けや検証に必要な行政文書にあたるかは誰が決めるのか?

ということで、まことしやかな議論をしている風ではありますが、抜け道だらけのような気がします。却って、記録を残さなくなる方に傾きそうですね。そもそも、記憶力のいい人たちですから。

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