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取り組み

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挙証責任と勝負

さぼ郎
誰が考えても、どの角度から考えても、そして誰が何と言っても今回の加計学園問題は、おかしいことが満載だと思います。

不正

安倍総理と加計学園の加計孝太郎さんが無二の親友であることと、その当事者が国家戦略特区という国家プロジェクトにおいての当事者になることは、数学的な確率論としては起こり得ないことと思いますが、政治的な確率では、回りにいる怪しげで「腹グレー」な側近たちの「ソンタク」により、無理筋が通るなんてことは、きっと「よくあること」なのだと思います。

俗に言う「政治マター」ということです。事実、「加計問題は政治マター」と文科省内では、ささやかれていたようでもあります。

問題を煎じ詰めると
1.加計(今治)ありきだったのか  ---《公平性の問題》
2.石破4条件はクリアしたのか ---《適正性の問題》
3.「広域的」はどの過程で指定されたのか ---《透明性の問題》
4.「30年4月開学」が指定される背景 ---《必然性の問題》

見事なまでに、このいずれの問題点をもクリアしていません。グレーと言うよりは「真っ黒」な過程で、国家的プロジェクトが怪しい政治家と、志の低い官僚が我が物顔で動かしていることに驚きを禁じえません。

矢面に立つ主犯は山本大臣です。黒子が萩生田という、時代劇風に云うならいかにも悪代官然としたキャラが所々に登場しますが、前川さんの説によれば、脚本を書いているのが和泉補佐官で構成されています。

悪代官

山本幸三特区担当大臣が、途中までは浅薄な経済理論で、たくさん獣医学部を作れば競争原理が働いて優秀な学部や学生が勝ち残れると言っていたのですが、最近になって、得意満面な顔をして「挙証責任」「勝負あり」と云うような論法になりました。



7月8日放映のBS朝日「激論!クロスファイア」(司会田原総一朗氏)に、元大蔵官僚の高橋洋一さんとともに出演した郷原信郎さんの討論を聞いていて驚いたことがあります。

話の内容も去ることながら「挙証責任」「勝負あり」というような、山本幸三大臣が最近になって気に入って使っているフレーズがそっくりそのままの論法で高橋洋一さんがしたり顔で盛んに強調するのです。

で、ことごとく、郷原さんに論破されしどろもどろになっていました。

これは、きっと偶然ではなく、高橋洋一さんは内閣府から(仕事として?)依頼されて強弁の知恵をつけていることは歴然だと思いました。

ちなみに、重婚騒動で問題を起こした二世議員の謝罪パーティーにも、この高橋洋一さんが講師として招かれているのだそうです。

何を講演するのかはわかりませんが、加計学園問題を持ち出すなら「文科省が挙証責任」を放棄したことで「内閣府が勝った」という、国益も就学する生徒の将来をも無視した、国策という観点からすれば大局観のない稚拙な論法に終始するような気もします。

2万円の価値があればいいのですが。

ま、世の中、敵がいて味方もいるし、弱り目の輩に手を貸す輩もいて、めでたしめでたしなのですが、クロスファイアを聞いている限りでは、客観的に見ていて、郷原さんの方に利があるように思えました。

例によって田原さんがごちゃごちゃ掻き混ぜるのがうるさいのですが、それを無視して聞いていると、だんだん、高橋さんが追い詰められて焦っている感じが手に取るように分かります。

郷原信郎
郷原信郎、高橋洋一対談の記事にリンク ↑

ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要」を前提に、獣医学部の新設を検討するとの閣議決定がされます。

その「新たな分野」における獣医の需給見通しを、
2016年3月末の期限までに挙証責任を果たせなかったことで『議論終了』
文科省の『負け』が決まり、『泣きの延長』となった2016.9.16時点でも予測を出せずに完敗
文科省文書はそれ以後のもので、文科省内の『負け惜しみ』

というのが高橋さんの元官僚としての得意満面なる論法で、それをサル真似しているのが山本幸三大臣です。

仮に文科省が挙証責任を果たせなかったならば、そのことだけで加計学園が石破4条件をクリアしたことになるのか? 加計学園のために岩盤規制に穴を開ければ内閣府としては任務完了なのか?

新たなニーズに対する教授陣、設備(東京大学農学部獣医学科でもできないし、北海道大学農学部獣医学科でもできない、この新しい学校でなければできない)やカリキュラムが加計学園にあると、誰が証明できるのか?

6月早々の国会答弁をYouTubeで見る限り、石破4条件に関して、農水省も文科省も知見がない故に内閣府に委ねるとしています。「挙証できないから負け」というレベルのことではないと思います。石破4条件をクリアしたとする論拠は委ねられた内閣府が挙証するべきものと考えます。

広域的」「平成30年4月開学」に関しては、内閣府内に、そのことを協議した形跡もなく、山本大臣が一存で決めたとしています。日本はいつから独裁国家になったのか?

広域的」に関しては京都産業大学は、まだ、この時点では学部を綾部市に作ろうとしており、まだ「広域的」ではあると認識していたようですが、平成30年開学」に至っては断念せざるを得なかったと、過日、説明していました。

1年と数ヶ月で用地を買収し、学部建設をし、教授陣を確保し、生徒を募集することは客観的に考えて素人でも分かる話です。

そうまでしてでも急がなければならない理由は、早く実現して効果を出し、全国に適用を広げるためだと山本大臣は国会で強弁していますが、大学学部の効果とは何か? いつ、効果を測定できるのか といえば、最低でも来年から6年後になるわけで、現実には10年以上かかるわけで、とても戦略特区で扱うマターでは無いことは自明です。

そもそも論で云うなら、「獣医学部開設」は、岩盤規制撤廃に馴染むマターでないことは明らかであるにも関わらず、ゴリ押しで押し通そうとする背景には、「何かがある」ことを示してしまっています。

なんにしても、閉会中審査に安倍総理が出るとのことですので、安倍総理にはくだらない質問などをせずに、今までの経緯から「第三者委員会」をたてて、経緯と妥当性を明白にする(透明性の確保)という言質を取ることに専念するべきと思います。

木村草太さんによれば、安倍さんが「独立の委員会を作って徹底的に調査します」と約束すれば指示率が上る可能性が高いと言っています。



逆にそこから逃げたら、支持率回復は難しいとの指摘です。

2つの日付
■2017年11月9日
国家諮問会議 「広域的」という言葉が入る
なんで、「広域的」という言葉が入ったのかを説明できるか

2018年1月4日
なんで、「平成30年4月開学」となったのかを説明できるのか

会議の議事録や起案がしっかりしていれば説明できる。しかし、議論した形跡が殆ど無い。

1月4日の公示には相当な疑問があるとのことですが、実は、30年4月開学は京都は知らなかったようですが、相当前から、ほぼ決まっていたようで、文科省から出てきた「怪文書」には明確に書かれており、今治の方でもスケジュールとして認識していたようです。

ボーリング調査も始まっていますし、高圧電力の申込も、建築の工事も盛んに行われていますが、2017年8月にならないと設置審の回答は得られないわけです。

また、獣医学部の最大適正募集人数は120名を上限にする(公益財団法人大学基準協会による獣医学教育に関する基準として「60~80人程度を標準とし120人を超えないことが望ましいとし、適正な教育環境を保証するために定員管理に努めなければならない」としています)というような基準もあるようなのに、いきなり実績のない大学に160人が認可されるのかは見守るしかありませんが、ポイントは設置審が、合法で適正な判断をするなら「NG」で、仮に「OK」なら、設置審そのものが権力機構に取り込まれているということになると思います。

内閣府の持つ権力は、両刃の剣で、いまのままでは国家そのものを毀損しているので、透明性を確保することが肝心と思います。内閣府と内閣官房の連携には、監視が必要です。

正邪

権力は必ず腐敗するものと思って、チェック機能が不可欠ですが、野党には頼れないので、自民党が自浄作用として何らかの手を打つことが支持率回復につながるのではないでしょうか。

今回の加計学園問題が起きたことで、内閣府及び内閣官房が、如何に国益に反する権力の私物化をしているのかが明るみに出たことは良かったと思いますが、現実的な理想をいうなら自民党が2つに割れて二大政党になることが、当面の日本の民主主義をいささかでも正常化できるのではないかと思います。

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