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中間層の没落

さぼ郎
ここへ来てクリントンさんのメール問題で新たな展開を迎えています。アメリカでのことなので、今ひとつピンときません。

似たようなことが韓国でも起こっていますが、内容の深刻さは韓国のほうが上かもしれません。

関連する内容なのかは不明ですが、今朝のモーニングサテライトで、アメリカの中間層が没落するというニュースを流していました。

アメリカで中間層というと3人家族で440万円から1320万円の所得層を云うのだそうです。つまりは、ある程度の所得があって豊かさを象徴する層のことです。

中間層

ところが、この層が没落しているのだそうで、このことが大統領選の一大争点になっていることが、トランプ人気を押しているのだそうです。

アメリカでは、この中間層が過半数を割り込んだとのことです。

構成比

中間層の没落の背景で何が起きているかというと、例えばコネティカットで起きていることで、おおよその流れがつかめると思います。

移住者

インド人に置き換えられているということが見えてきます。つまりは、雇用のグローバリズムがアメリカ人中間層を直撃しているわけです。人件費はアメリカ人の3分の2で済むのだそうで、そこが急激に置き換えられているようです。

ちなみにコネティカットではインド人が急激に増えているようです。

コネティカットのヘッジファンドの会長によれば労働と資本の自由な流れはベストモデルだと言いますが、短期的利益を追求するCEOが高額の報酬を得るのには懐疑的のようです。

クリントンさんは中間層の減税を訴えていますが、トランプさんは自由貿易協定からの撤退と外国人技能労働者への規制を訴えています。中間層の人々にとって押し寄せる没落の危機を救済してくれそうなトランプさんへの支援は、切実です。

ウォールマートのCEOの去年の年収は20億円なのに、一般労働者の平均賃金は200万円だったそうです。つまりCEOは一般労働者の1000倍の報酬を得ているわけです。

ちなみにウォルマートの従業員は、正規の給料だけでは生活が出来ないために政府からの援助を年間6,500億円受けているのだそうです。

所得格差

労働者の平均年収に対してCEOの所得を比べたものですが、2000年を超える辺りから急激にCEOの所得が拡大し、いまではだいたい300倍位になっているようです。

日本で考えると平均年収が300万円とするならCEOが9億円もらうということになりそうです。だから「成功しろ」というのがアメリカンドリームなわけですが、おそらくそういう時代は過去のものに成りつつ有るようです。

労働者の賃金を引き上げれば消費が活性化し、経済がよりよく回るようになるという説もあります。

CEOが金持ちになる仕組みの一つにストックオプションがあります。一般にストックオプションは創業まもない企業が現金の持ち合わせがないために株式で支払いをする仕組みになります。

だからグーグルの料理人がストック・オプションで大金持ちになった話などがありますが、経営幹部のインセンティブとしてストック・オプションを活用すれば経営陣は自分の持ち株を引き上げるために努力するわけです。

そのマジックの一つが自社株買いです。

自社株買い

これを見ると、企業の利益を減っているのに自社株買いをすることで株価を上げている様子が見えます。経営陣が持っている株式を少しでも有利にするために自社株を買うことで、経営陣の資産を増やしているわけですから、ちょっと正常な姿ではないような気がします。

今、日本の株式も自社株買いと官製相場で株価が上がっていますが、2016年1-9月には、海外投資家が1987年以降で最大となる6兆1900億円の日本株を売っている一方で、上場企業は自社株で3兆6300億円買っています。

さらに日銀は年間6兆円を買い続ける。年金も買うわけで、株価が上がっているように見えますが、正常な姿ではないことはアメリカ同様ですが、日本の場合は、資金調達を株式から社債に切り替えているようです。

日銀のマイナス金利と国際市場からの実質的な金融機関の締め出しで溢れた現金が大企業の社債に向かっています。

例えばトヨタは250億円を年利0.0003%で調達でき、3年かの利払いは22万5千円です。このお金を使って、M&Aができるわけです。トヨタ自身の決算は自社株買いと社債発行で利益額を減額できるので、財務内容を見た目で少し悪くすることができるわけです。

日銀の政策が、このような姿に変質して大企業に利益をもたらしているわけで、アメリカのCEOの報酬とは根本的に異なりますが、労働者の所得には反映されない仕組みであることでは同じことと思います。

中位所得

とは言えなんだかんだいっても、中位の所得はほぼ維持されており暫時増額されていますが、日本では、1割も減額されています。高齢化の影響を差し引いても5%程度減額しています。

アメリカでも世界恐慌が起きたときにdぇフレになりますが、その離脱の状況を見てみます。

世界恐慌

ルーズベルトになった途端に、名目賃金が上がっています。ドル安や財政出動など、生ざまな要因がありますが、結果として賃金が上がっています。

翻って日本のアベノミクスを見てます。

アベノミクス

名目賃金が全く上昇していないこと。それと円安が持続していません。やはり賃金の上昇がない限り、格差は広がっているのでしょう。民主党政権時代もひどいものですが、アベノミクスも、今ひとつパットしていません。

アメリカの大統領選もどうなることか全く不透明ですし、仮にどちらが大統領になっても、平気なのか心配になってしまいますが、日本も抜本的な改革の必要がありそうな気がします。

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