PAGE TOP

あれこれ

印刷する

有期刑の上限について

さぼ郎
刑罰に有期刑と無期刑というのがあって、裁判所や検事の判断によって、求刑され、判決において様々な状況を斟酌して刑罰が確定するわけです。

有期刑については、
第十二条  懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、一月以上二十年以下とする。
とされていて、一つの犯罪の上限は20年となっているようです。ただし、併合というのがあって、
第四十七条  併合罪のうちの二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。
とも規定されているので、おそらく30年が有期刑の上限になるわけです。

刑罰のシステムとしては10年服役すれば、無期懲役の仮釈放の可能性はあるものの、有期刑の上限が30年となるならば、無期懲役は、「無期」であるゆえに「有期」より手前に仮釈放が適用されることは矛盾になってしまいます。

囚人

ということは、自動的に無期懲役の仮釈放は30年以上の拘禁を前提にすることとなるわけです。

無期懲役の仮釈放については、いろいろ議論が有るようですが、無期懲役は終身刑とは異なります。懲役であることが無期限であるということであって、仮釈放というのは、罪を減刑することではなく、社会内で処遇することを意味します。

無期懲役で仮釈放されて社会内で生活していても無期懲役であることには代わりはありませんので、いかなる犯罪(無銭飲食であれ)であっても犯罪を犯してしまえば、無期懲役が復活することを意味します。

社会内処遇を「釈放」とみなす考えもありますが、刑罰の内容は「応報」だけではなく「社会復帰」も考慮に入れる必要があります。

ところが、併合罪として上限が30年になったことにより、無期懲役の仮釈放も30年以上が前提となってしまうことで、長期刑務所の機能に疑問を感じる部分もあります。

応報という側面だけで刑罰を考えることが、必ずしも刑事政策から考えて最善の処置だとは思えないのです。

社会は、沢山の人の集合で構成されています。社会は一人の当事者感情と大勢の第三者感情で構成されているのだと思います。つまり、第三者的な見方(必ずしも無責任ということではない)をすることも、社会を構成する上でとても重要なことなのだと思うのです。

裁判員制度は平成16年に成立し、平成21年から施行されているようです。刑法で併合罪の上限が20年の所を30年にしたのが平成16年からなのだそうですが、我思うに、このことが失敗を招いているような気がします。

読売新聞
読売の気にリンク ↑

いまや、刑務所は老々介護の矯正施設と化しているようです。

キーワード