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神武天皇と憲法についてちょっと考える

さぼ郎
神奈川選挙区で当選した三原じゅん子参議院議員

神武天皇
wiki「神武天皇」にリンク ↑

神武天皇の建国のそのときからの歴史というもの、全てを受け入れた憲法を作りたい

とコメントしたことに対して池上彰さんが、

どういう意味なんでしょうか。明治憲法の方が良かったということでしょうか?

と質したことに、三原議員が、

全ての歴史を受け止めて、という意味です

と答え、それに対して、池上さんが、

神話も含めて日本の歴史を大切にした憲法にしなければいけない?

というようなやり取りがありました。議員の信念にも近いお考えに神奈川県民が賛同し、感激して選出していることに異論が有るわけではありません。建国以来の歴史を受け止めた「憲法」というのが、どういうものなのかがワタシには見えてきません。

とはいえ、改憲派保守政党議員に党議拘束をかければ、憲法改正の発議が出来るように国民が容認したのは事実で、このことからして国民投票が本当に必要なのか不思議な気がします。

投票

国民が選出した選良たる国会議員の3分の2が賛同するなら、さらに国民投票などが必要な気がしません。仮に、ここで国民の半数が取れないとするなら、議員選出に誤りがあったこととなり国会を否定することになってしまう気がします。

国民にはわからない難しい問題を、国民になり変わって一生懸命考えてくれるのが代議士の最良にして最上の役目なはずだからです。

三原議員の考えがどこから来るのかは不明ですが、ちょっと「国学」という考えを紐解いてみます。

その前に話はそれますが、安政の大獄で暗殺された井伊直弼の和歌の師匠が長野義言で、国学の師でもあったとのことで、井伊直弼と情交を結んだ村山たか女(直弼の三味線の師匠)と、長野主膳も情交を結んだらしいのです。当然、藩主である直弼の了解なしにはありえない話で、拝領したのでしょう。

で、NHK大河の第一回は「花の生涯」で、村山たか女を淡島千景、長野主膳を佐田啓二がやったのが昭和38年でした。

花の生涯
写真元にリンク ↑

村山たか女を演るとするなら「淡島千景」さん以外に適役はいませんね。ちなみにテレビも映画も淡島千景さんでした。

1974年の日テレでは山本陽子さんでした。山本陽子さんなら許容の範囲です。

和歌の先生が国学の師でもあるという、そこがずっと不明でした。最近、本居宣長を読んで、やっとわかってきました。
「国学」の語が使われるようになったのは、契沖を学んだ荷田春満の頃からである
とwikiに書かれています。契沖、荷田春満・在満親子は、ともすれば和歌を文学として捉える傾向が強かったのに対し、荷田春満の弟子であった賀茂真淵は、より政治性を持って万葉集を捉えていたようです。

ちなみに、赤穂浪士で歴史に名をとどめている大石内蔵助は、この荷田春満から吉良邸で茶会があることを聞き出して討ち入りの日を決めた とのことです。

それは置いといて、その賀茂真淵の弟子が本居宣長になります。彼ら二人は、漢意(からごころ)の少ない古事記を研究するために万葉集を徹底的に学ぶわけです。その理由は、物事を漢字(論理的に)で考える前の日本人の「ますらお」「たおやめ」ぶりから、漢字的思考が入る前の日本人の生き方を「」として捉えようとする考え方を儒教の対立軸に置こうとしたわけです。

そこから平田篤胤が、
復古神道が提唱されるなど宗教色を強めていき、やがて、復古思想の大成から尊王思想に発展していくこととなった
という流れになり、日本固有の文化を探求し、国粋主義や皇国史観にも影響を与えたそうです。

つまり、三原じゅん子議員の「神武天皇の建国以来の歴史を受け入れる憲法」という発想は、万葉集や古事記を研究したうえで到達したお考えなのか、平田篤胤以降の皇国史観に基づく主義主張なのかは不明です。

どちらにせよ、あの若さで「古(いにしえ)の道」をたどり、耽溺し、開眼があればこそ、建国以来の歴史を新たに発議する憲法草案に組み込もうという強い意志なのでしょうし、それを神奈川県民が応援しているわけですので、そのことに全く異論はありません。

憲法改正のすべてが悪いわけでもなく、護憲のすべてが正しいわけでもないと思います。全ては国家と国民の在り方の問題だと思います。

本居宣長が目指した「古の道」を平成の現在に再現することは不可能ですし、荒唐無稽な話であることは間違いのないところですが、彼らが生涯をかけて探求した漢意(からごころ)の入る以前の日本人の「もののあはれ」という感じ方から摂取するべき事柄はきっとあるのだろうと思います。

花

それは日本人というナショナリズムの探索ではなく、「素朴な喜びや悲しみ」を起点にする生き方のような、資本主義社会を生きる上で見失いがちな価値観の発見があるような気もしています。

人として生まれた事の意味を考えると、答えは「幸福」の探索に尽きると思います。なにがその人にとっての「幸福」なのかは様々なわけですが、より幸福になるために今、何をすればいいのかを考えながら生きられる社会を実現するような憲法にして欲しいです。

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