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憲法改正とシマウマの檻

さぼ郎
シマウマの縞の役割は「ハエ」対策だったらしいという記事を見つけました。2014年の記事です。

シマウマ
シマウマの縞を解説した記事にリンク ↑

火付け役はダーウィンとウォレスだそうで、詳しくはそちらを調べてみてください。

一般的には、シマシマが群れになることで、個体を集団の中に埋没させられるから生き残れたという論法は間違いのようです。

とはいえ、目的があって進化する訳ではなく、結果として変異が環境に適合しすることで残れるはずですが、ともかく、シマシマを吸血バエが嫌うことでシマウマが生き残れたようです。

チューリングパターン
チューリングパターンの記事にリンク ↑

上記のような模様をチューリングは「抑制因子」と「活性因子」の距離から様々な生物の模様を再現する数式を作っています。
シマウマのようコントラストがはっきりしている模様は抑制因子と活性因子との制御作用の距離が10倍程度離れているとストライプがはっきりしてくるのだそうです。
その話を延々としようというのではなく、木村草太さんの「テレビが伝えない憲法の話」の4章に「憲法9条とシマウマの檻」という話がありました。

冒頭で、シマウマを檻に入れて見る場所を変えると「白馬」になったり「黒馬」になったりするという話から、どちらもシマウマを見ていないという比喩に使っています。
1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
これだけの話ですが、これに対して「護憲派」と「改憲派」の論争に展開してしまいます。現内閣も憲法改正には経済政策よりも前向きで、その前提の処理としてどうしても改憲派が通らなければならない障害になるのが、
第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
憲法96条になります。

96条改正も、9条改正も、あるいは解釈改憲とされた集団的自衛権についても、世論調査ではかなり拮抗しているようですが、やや、改正不要派が現状では上回っているように思えます。

9条は、「世界にも例のない平和憲法である」と教わってきましたが、実は国連憲章の2条4項、42条、51条に同じ概念で「武力不行使原則」が書かれています。

自衛隊は違憲 という言い方もされますが、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段」を目的とする武力を放棄しているわけで、自衛権の行使まで放棄しているわけではないことは自明です。

木村さんは、軍を保有している国であっても「武力行使」をしていいわけではなく、それぞれの国の自衛のためと国連の集団安全保障のためのものでしかありません。逆に、日本の自衛隊も個別的自衛権の行使は禁じられていません。

また、国連には「集団安全保障措置」という考え方があって、日本が紛争に巻き込まれた場合、日本に集団的自衛権がなくても、国連として措置をしなければ国際社会の安全は守ることができません。

邦人輸送中のアメリカ輸送艦の防護
武力攻撃を受けている米艦防護
周辺事態等における強制的な船舶検査
米国に向け日本上空を横切る弾道ミサイル迎撃
弾道ミサイル発射警戒時の米艦防護
アメリカ本土が武力攻撃を受け、日本周辺で作戦を行う米艦防護
国際的な機雷掃海活動への参加
民間船舶の国際共同護衛

このような事例を上げて政権与党は集団的自衛権を推し進めたわけですが、不幸にして、そのような事態に対して整然と対応できなかったとしても、それよりも、戦力の行使が政府任せになることのほうが大きなマイナス(禍根)になります。

純粋に国内事情として憲法改正を論議していますが、国際社会からどのような評価をされるかも、このグローバルな社会においては重要な要素だと思います。

木村さんが4章の最後にまとめとして述べていることは、国連憲章にも書かれている内容である憲法9条の理念は、究極的には各国が武力を行使しなくても済む国際社会の実現を目指すべきであり、日本ができることは集団的自衛権行使ではなく、集団的安全保障への協力であり、国際貢献によるプレゼンスの向上だとして締めくくっています。

なんにしても憲法を改正する段階として96条の改正があります。国会議員の2分の1で国民投票にかけられるようになるとすれば、政権与党が衆参で過半数を獲得すれば、いつでも、どの条項でも改正しようとすることが出来ることになります。

軍事費

軍事費

軍事費
グラフ元の記事にリンク ↑

GDP比(GNP比?)1%は死守させなければなりません。これは日本の国際社会に対する約束でもあります。国際的にはもとより、国内の理解として軍事費はGDP比1%以内という枷を監視しなければ、ズルズルと膨張していくことになります。

軍事費
グラフ元の記事にリンク ↑

現状の国会議員3分の2の賛成という「硬性憲法」は、国民の意思の多様性におけるコンセンサスだと思います。まさにメディアが伝えようとしないのですが、教育とメディアが頑張らなければ本質は戦前と変わらないこととなってしまいます。



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