PAGE TOP

科学

印刷する

人工知能が囲碁世界トップ級棋士に勝利してしまった

さぼ郎
ついに、人工知能が囲碁を制してしまった。

囲碁

2015年5月8日に7刷の「人工知能は人間を超えるか」という本が図書館からやっと届きました。そして、次の人が待っています。随分人気な本です。

人工知能はチェス、将棋、クイズで世界チャンピオンを破り、遂に囲碁も世界トップクラスを凌駕してしまいました。

IBMの人工知能であるワトソンは、今後医療分野に進出するとのことですが、当然の話しであって、最高レベルの知見をインプットしていけば、患者の治療方針を的確に示すことができるわけで、そこいらの医者に高額な医療報酬を支払わなくても済むわけですから、国家として医療費を抑えられるだけでなく、受けられる治療のレベルだって格段に水準を上げることが出来るはずです。

もちろん、「人命にかかわることを機械に任せられるか」という医師会を通じた政治的圧力がかかることは必至ですが、診察における判断は、どちらが適格かはテストをするまでもありません。

ちなみに自動車の自動運転で事故が起きた場合は、グーグルに関していうなら、グーグルが責任を負うようです。

金融市場でも毎日、株や為替が上がった下がったと情報を流していますが、取引の9割以上はコンピュータがやっているらしいです。

株式市場

いまや、金融界では1000分の1の1000分の1(ナノ)でコンピュータが戦っているのが実情のようです。

法廷でも人工知能の躍進はめざましく、アメリカでは証拠発見に機械学習を利用することで弁護士の秘書の役目はコンピュータに置き換わられているようです。いずれ、弁護士や検事、そして裁判官も、取って代わられることはないにしても、彼らの判断を示唆するために機械学習を利用する場面は確実に増えるものと思います。

英国デロイト社では英国の仕事のく35%は今後20年で人工知能やロボットに置き換えられるとしています。年収550万円以下の仕事は1800万円以上の人に比べて機械に仕事を奪われやすいとのことです。

オックスフォード大学の報告ではアメリカの総雇用の47%が職を失うリスクにさらされるとのことです。

会計

すでにアメリカでは会計士や税理士の受容がここ数年で8万人も減っているのだそうです。

囲碁関係の記事がたくさん出ていますが、人工知能が突飛な手を打ったと思いきや後半で生きてくる一手であったり、プロ棋士が攻撃的に出れば攻撃的に返してくるしなど、あたかも人間の棋士と変わらないような展開なのだそうです。

チェスで世界チャンピオンに勝った時は膨大な過去のデータから次の打ち手を検索し、統計的に有効と思われる一手を見つけてゲームを展開していたようなのですが、囲碁では可能な手数が多すぎて(宇宙にある水素の原子の数より多いとか)それでは対応できないため、ディープラーニングと呼ばれる人工知能の方式を導入しているそうです。

世界で一番難しいと言われる囲碁で人間が敗れる事になったわけですので、知識を使う労働は、その影響を被らざるを得ないことが確定したわけです。

ただし、80ページには「囲碁は将棋よりも盤面の組み合わせが膨大になるので人工知能が人間に追いつくのにはまだしばらく時間がかかりそうだ」としています。2015年8月の時点で、東京大学の人工知能専門の准教授の判断で、こういう予想でしたが、その7ヶ月後に世界トップ棋士を完膚なきまで叩きのめすまでになっています。

ちなみに、2016年3月13日、第4戦でやっとトップレベルの棋士がコンピュータに勝ちました。最終戦は15日だそうです。人工知能を相手にする以上、当面は攪乱する以外に方法はないようですが、定石から見直していくようなことも書かれていました。

李九段
やっと1勝下李九段の記事にリンク ↑

過去に人工知能とは呼ばないまでもそれに近似するもので「エキスパートシステム」というのがあり、例えばどこからどこへ行くのにルートと時間と料金を示してくれます。

これは専門的ルールを沢山データ化して、利用者の要望とマッチングして出力するというだけの仕組みで、専門なことにはかなりの利用場面が有りますが、とはいえ、専門的であるがゆえにデータが相互に矛盾していたり一貫性がなければ、人間が判断し整合を取らなければなりません。

とても人工知能とは程遠い、単なるデータベースでしか無いわけです。

東ロボ君」という人工知能も全国私立大学の8割には受かる確率が80%を超えたそうですが、受験問題の意味が分かっているわけではありません。

それは郵便番号の手書き文字の認識も高速処理をしていますが、数字を読んでいるわけではなく画像処理の結果として判定しているだけです。

ところが、2012年、コンピュータによる画像判定コンペでカナダの大学がいきなりミス率15%台をタタキだし、世界に衝撃が走ったそうです。東大を含めて他の参加者のミス率は25、6%だったからです。

その背景にあったのが「ディープラーニング」でした。原理とか理論はとても難しいので省きますが、要するに特徴をコンピュータが学習するということにつきます。

猫

グーグルでは画像から猫を判定できるようになっているとのことです。それは猫の特徴を自動的に獲得できるようになったということです。つまり、そのものの背後にある「概念」を把握できたということになります。

囲碁でトップクラスの棋士に勝つためには、たくさんのパターンから最適解を拾ってくるやり方は不可能ですが、事実として棋士に勝っているということは、どうすれば勝つのかという囲碁の概念を理解し、面を判断し、一手ごとの有効な手筋の特徴を把握できているということになります。

もし、人工知能が自ら改良することでより良い人工知能を作ることができるようになったら、その時点を「シンギュラリティ(技術的特異点)」というのだどうです。

転職

ディープラーニングが実用化されてくると影響を受けると予想されている職業が列挙されています。

電話販売員、データ加工、一般事務、司書、融資担当、銀行窓口、一般的な機械加工、web広告。

レベルの低い医者・弁護士、同様にレベルの低い国会議員、同様にレベルの低い学校教師なども駆逐される時代は必ず来ると思います。

もし、これらの職業に従事しているようですと、10年か20年の内に転職せざるを得なくなる可能性が高いようです。クワバラクワバラ。


MITが作ったロボット・チータ

1%の改良を1000回繰り返すと、なんと元の21,000倍を超えます。トップクラスの棋士に勝つ囲碁の力を、自律的に1%改良できる人工知能ができたらと想像すると、その破壊的パワーはまさに人間の想像をはるかに凌駕しています。

人間では作りえない「生命」も、人工知能なら作り出せそうですね。



AI囲碁、グーグルとフェイスブックは何を狙っているのか

読売
2月26日の読売の記事にリンク ↑

2月26日時点の読売の記事に公立はこだて未来大学教授である松原仁という人が寄稿していて、「弱いプロには勝てたが、イ・セドルにはまず勝てない」と予想しています。

認識に大きな錯誤があるようですね。



キーワード