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ハウツー本は「流転の海」に勝てるのか

さぼ郎
ダメな人間の本の読み方は、本を1回しか読まないのだそうです。デキル人間の本の読み方は何回も読むのだそうです。

どんな本も、こんな本も、実は何回も読んだことがありません。実にダメダメな本の読み方です。

読書会に入っている(入らざるを得なくて)ので、そのための本を読んでまとめなければなりません。読書会という性質からして、「読む」ことが目的化していて、内容の咀嚼や理解は二の次になってしまいます。

ともかく時間(期限)の中で本を読み、まとめて意見を出さなければなりません。

読書会

読書会以外では、webを使ったマーケティング関連やらセールスライティング、文書作成術など、即効性の有りそうなテーマを選んで読むようにもしています。

セールスライティングの本はメルマガの案内からweb使って商品やらサービスを少しでも売りやすく出来るならと思って買ったのが10月8日ですが、12月半ばになっても、実はまだ読み終わっていません。

残念ながら、あまり興味が持てないのです。

本の価格は4千円弱ですが、どういう理由なのか千円割引きしてくれて、あげく1ヶ月以内なら内容に満足できなければ返金してくれるそうですが、もう2ヶ月経ってしまったので、返本はできません。

値引き

今年は「プロダクトローンチ」「YouTubeマーケティング」のセミナーにも行きました。セミナーに行くと講師たちは自分たちのセオリーでとんでもないくらい仕事がうまくいって、とんでもないくらい儲かっているということを高らかに宣言します。

セミナーでは「とんでもないくらい儲かる方法を教えます」式の触りをちょっと見せ風に公開するものの、「本式の指導を受けるなら本来何百万円の所、本日限りなら半額でいいです」式のディスカウントがあって、帰りに申し込むような仕組みになっています。

違う言い方をすると、セミナーという形式のセールスプロモーションを有料で行って、その中から顧客をゲットできるという二度おいしい商売をしているのですから、彼らにとってはとんでもないくらい儲かる方法」になってはいます。

セミナー

このような喧騒の中に身をおいては見ましたが、そろそろうんざりしだしています。彼らの書く本やセミナーが、自分にとって、ほんとうに役に立つような実感が湧いてこないのです。

セールスライティングの本を買ったりセミナーに行って、ライティングがうまくなったとしても、そんなに毎日売り込まなければならない商品やサービスが有るわけではないのです。

世界のトップを10秒で納得させる資料の作り方を教わっても、ワタシに限定すれば世界のトップに訴えかけるチャンスは、一生の間には巡ってこないのです。

そんなこんなで、「小説を読もう!」と思い、久しぶりに小説を手にしました。宮本輝の「流転の海」の第一巻です。これ、大好きなんです。

流転の海

宮本輝の「流転の海」を読んだのは、もう何年も前の事になります。第一部が1984年のことだそうです。第7部が2014年で、今も継続中です。伸仁がおそらく宮本輝なのでしょうから、ライフワークですよね。

英語化は難しいからノーベル文学賞を狙えないと思いますが、そもそも、文学って言語に固有のものなのに、なんでノーベル賞として君臨しているのかが、とっても不思議です。

改めてもう一度読んで見ようと思って寝る直前に手にとったら、眠気が来ないのです。いままで、ハウツー本やら経済本を読むと、即座に眠くなってしまうのに、宮本輝だと眠気がいつまでも来ないのは、どういうわけなのでしょう。

人間の脳とはとても不思議なものだと思います。松坂熊吾の躍動を感じ、彼と彼の時代をなぞっている自分がそこにいます。

それに比べるとハウツー本やら解説本、新書、ブルーバックスは、なぞっている自分がいないのです。

速い速度でよぎっていく幾つかの雲かたまりが太陽の下を通り過ぎるたびに、汚れた灰色に変わったり、黒ずんだ赤錆色に変わったりし・・・くらい不安な蔭を投げかけたかと思うと、ふいにそれが活気に満ちた平和な営みであるかのような眩さを与えるのだった。

この最初の1ページに出てくる文書だけでも、樋口一葉の「たけくらべ」を髣髴としてしまいます。「たけくらべ」って不安と希望の錯綜であり、子供と大人の分かれ道のような、吉原に隣接する竜泉という立地がとってもうまく書けていて、樋口一葉が、その後に生まれてくる日本人に思いっきり投げかけてくる力を感じます。

宮本輝の「流転の海」も、後世の日本人に投げかけてくるものになると確信しています。

文書やメロディには、メッセージがなければだめだと、つくづく思うのです。そのメッセージは、文書やメロディに埋め込まれているのですが、取り出せるか否かは、自分の文化性であり感性なのでしょうね。



この記事で使用した画像は、PhotoACというサイトの写真です。

PhotoAC
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月額183円を払えば無制限に画像を使えるそうです。フリーなら1日20点まで。ただし低解像度。

画像をたくさん使いたい人は、とってもお得だと思います。

来年からは月額が296円になるそうです。これもメンタルトリガーですが、183円で写真素材を探す手間が激減できる人は、ご検討下さい。



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