PAGE TOP

視点

印刷する

安保関連法の成立を急いだわけ

我思う、故に当たっていないけど

さぼ郎
最近、オヤジの集まりに行くと、この安保関連法案や解釈改憲、そして強行採決。果ては小選挙区制度などに話題が行くことが多くなっています。

強行採決
毎日新聞の記事にリンク ↑

「民主党があの体たらくだったので自民党への揺り戻しがあった」のは事実で、再び民主党に政権を委ねようとは思わないところですが、では、自民党なら政権運営がかくもスムーズ(一見)なのはどういうわけなのだろう とも思うわけです。

政治家の資質が根本的に異なる? 政党としての組織力に雲泥の差がある? 政権運営の経験の差?

どれも正解ではないと思います。昨日の記事にも取り上げたことですが、日本国の官僚という「エリート」が未だに国家を運営しているのが事実だと思います。

「官僚」というと昔で言えば従五位あたりの階級で、(最下位の)貴族としての特権意識を持っているのだと思います。

貴族

民主党はエリート集団「官僚」にとって邪魔にこそなれ役には立たなかったから政権運営を行き詰まらせただけのことだと思います。

政治家は選挙に落ちれば「ただの人」ですが、官僚は定年まで官僚というエリートでいられるわけで、ここを変えないかぎり何党が政権をとっても同じことのような気がしますが、下手に手をつければ民主党と同じ道を歩まされます。

つまり、政治家も少しずつではありますが、実力(あるいは能力)が必要な時代になりつつあるわけですが、実態は世襲議員の世間知らずが増えているようです。完全に時代の求めと逆行しています。

力

今回の強行採決ですが、ワタシは憲法裁判所で「違憲」判決が出ると思っていますが、日本には憲法裁判所がなく、たった15人の最高裁判所の裁判官であらゆる上告事件を審理するため、制度的に見て欠陥があるようにも思えます。

たった15人の裁判官ができる範囲はしれているので、最高裁判所では殆どが棄却、差し戻しになります。実質的裁判は高裁止まりの感じで、実質は二審制であって、最高裁への上告は単なる時間稼ぎのような役割が殆どのような気もします。

今回の解釈改憲の違憲判断は、何年先になることやら。その間に事態が進めば、既成化されてしまうことは必至です。

憲法改正に着手するなら、まず、憲法の解釈に関する見解の相違と疑義を専門に審理する機関が不可欠なのは世界の趨勢ですが、日本の官僚にとっては、きっと都合が悪いので制度として採用されていません。

今回の強行採決の背景にあるものはアメリカの要請であることは間違いがありません。

アメリカ

どの時点であるかは不明ですが安倍総理とオバマ大統領との間で密約(といっても外務官僚と防衛官僚が作った筋書き)がなされていて、その期限が「この夏」だったということでしょう。

単純に考えれば中国の脅威は、民主党政権において野田元総理がどういう経緯からかは不明ですが、尖閣諸島を国有化したことで現状に変更を加えたわけです。

これとて、野田さんに深い思索があったわけではなく、エリート集団「官僚」の起案に乗っただけのことで、実態は民主党政権の息の根を止めるための施策(別名「罠」)であったような気もします。

野田佳彦
wiki「野田佳彦」にリンク ↑

竹島も日韓の密約(あるならば?)を破棄して、現状変更により韓国人が住むことになり実質的施政権は韓国にあることになってしまいました。尖閣も「将来の人たちに委ねよう」という口約束を野田政権が破ることで現状変更をした(官僚によってさせられた)わけです。

そうなれば中国として指を加えて見過ごすわけには行かなくなったわけで、そのことでアメリカが巻き込まれることはアメリカ議会の承認は取れないわけです。

どう考えても日本独自で中国の圧力を跳ね返すことは不可能ですので、アメリカの後ろ盾が不可欠になります。その代償として「集団的自衛権」を要求されたのでしょう。

このことは、アメリカの軍縮と大きな関連があります。どこまでアメリカの要求に従うかは時の内閣が決めることではありますが、少なくとも北朝鮮、尖閣、南沙諸島あたりでの騒乱が起これば必ず後方支援はしなければならなくなり、それと引き換えで中国に対する防禦の後ろ盾になってもらえるわけです。

とりあえずは尖閣防衛は安泰になりますが、実質的な漁業権は中国台湾のものになったわけです。これも一種の引き換えであるわけです。

漁業

さて、こうなると気にかかるのが沖縄の辺野古です。翁長知事はスイスの国連欧州本部で、
「自国民の自由、平等、人権、民主主義を守れない国が、どうして世界の国々と価値観を共有できるのか」と日本政府を批判
これはもっともな話で、これも強制執行すると安倍政権にとっては致命的な反動が高まることは必至です。そこで有望視されるのは近傍の島になります。

徳之島

鳩山政権時代に徳之島(鹿児島県)を候補して折衝したようですが、徳之島のドン、徳田虎雄さんに拒否された経緯があります。その折に小沢案として出されたのが下地島です。

下地島

安倍政権と翁長知事の落とし所として再浮上する可能性が高まっているようです。人口48人。パイロットの訓練用の滑走路もあります。

下地島

ただし、民主党政権時代に小沢案として出たのになぜ引っ込めたかというと、まず、官僚が邪魔をしたことが考えられます。次に、沖縄の土建屋が辺野古で一山当てようとしていたので猛然と反対が起きたようです。そこで、小沢さんに対して、きっと大きなお金が動いたのでしょうね。

献金 って便利ですよね。うるさ型の政治家をだまらせるのに、とっても重宝です。うるさ型の政治家も、集金システムとして使えるので、いわば「win-win」ではあります。

政治献金

しかし、今回は流石に辺野古を押し通すわけには行かないのでアメリカに妥協してもらえれば下地島が現実味を帯びてきます。これで強行採決による支持率低下も帳消しにできるので、安倍政権としては失うものがありません。

政策とはエリート官僚だけに任せればいいように進むわけでもなく、政治家という人気稼業の職業人だけに任せればいいわけでもありません。

ことはなんでもバランスだと痛感します。

尖閣

国際世論になることで沖縄から下地島に移るわけですので中国も、表立って騒ぎを起こしにくいわけです。しかも尖閣にも泳いで渡れる(190km)くらいの距離です。

野田政権を行き詰まらせた時からエリート集団「官僚」が、ここまでの絵図面を描けるくらいなら満州事変も行き詰まらなかったでしょうね。

キーワード