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財政破綻は間近か?

さぼ郎
先月、ある集まりで「1000兆を超す借金があるというのに日本は平然としていられるのか?」と質問した所、いろいろ意見がありましたが、とどのつまり、国民の貯金があるからだろうと言うところが落とし所でケリに成りました。

その後、「小生自身いささか不得意かつ不知の分野だったので 思い切って勉強してみた」「日本の財政事情がわかり国民全員「危機感がない」ことに愕然としております」とメールと資料を送っていただきました。

資産1
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貸出も資産のうちなので1645兆円あるとみて、とりあえず1500兆円までは債券市場で消化できると推定し、年50兆円ずつ増加するならあと10年が限度になります。

資産2
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実際には、新規発行の国債の引き受けが縮小しているようで、市場は徐々に警戒感を持ち出してはいるようです。長期金利が一つの尺度になるように思います。

となると、10年以内には確実に財政再建をしなければ国家運営が厳しくなるわけです。財政再建の方法は限られています。

税収増」と「歳出減」の二つです。これ以外に方法はありません。

税収増」を考えてみると政府が言うように景気が良くなって税収が自然増になるというシナリオがありますが、人口が減少し労働人口が減る社会において消費が奮うわけもなく、また、円グラフのように高齢者が消費活動を盛んに行うはずもありませんから、景気が良くなるというシナリオは期待が薄いです。

増税

となると、「増税」以外に方法がありません。消費税10%にして軽減など考える余裕はないはずですが、そのことで消費が一段と振るわなくなると景気が悪化してしまいます。

歳出減」でまず手を付けなければいけないのが社会保障費の削減になります。年金の受給を減らすことと、医療費等の削減。つまりは資産に応じた応分の負担などを制度として組み入れないければならなくなると思います。

それ以外に歳出削減をする方法はないのかというと、諸先進国では普通に行っている方法があるようです。

今のような底なしの拡大予算をやめて、向こう3年間の「上限支出額」を決めてしまうこと。これはオランダ、スウェーデン、オーストラリアで実施。

予算と実績の「政策評価」をすること。これはEU諸国では条例で決めています。

役所とはいえ、投資に対する効果を計測する客観視表が必要になると思います。「補正予算」も行事化していて、ここの要求額の必要性を検証する機関がなければ政治家の匙加減になってしまいます。

政府から独立した「財政監視機関」を設置すること。ただし、現在の会計検査院のような不透明かつ、遅速な機関ではおよそ現状の財政状況からして役に立つとは思えませんので、第三者(つまり民間)の力が必要だと思います。

そこで改革に必要なことは「財政責任法」の制定。「財政責任者」の設置。これは各省の事務次官を当てるとして、責任を取らせるケースを設定しておく必要があります。ちなみにOECDの勧告でもあるようです。

原子力発電所が破壊されても、国立競技場やエンブレムで不体裁なことが起きてもトカゲのシッポは切るものの頭を切ることをしない日本の政治及び官僚機構ですから。

公務員の人件費削減も不可避と思います。良い人材が集まらないと言いますが、国家の危急存亡のときに、給与が少し下がるくらいで集まらない人材なら、国家の役に立つとは思えません。

公務員

それと民主党が政権維持できなかったのは、個々の議員の能力に問題があったことと党としての組織力に問題があったわけですが、一番の問題は官僚を排除したことにあると思っています。

借金

政権が変わった時に幹部職を入れ替えるような制度があれば、幹部職は政権維持のために忠誠を持って尽くすはずです。現状の官僚機構は、官僚の言いなりに動く保守系の政治家を前提に機能しているわけで、そのことによって1000兆円を超える赤字国債を発行してしまっているわけです。

いずれにせよ、長期金利が上がってインフレが起きるにせよ、緊縮によって社会保障を大幅に切り下げられるか、大増税が始まるかになるのは後10年後くらいなのだと思われます。

とはいえ、財務省の対外債務を見ると。

対外債務
財務省「平成26年末現在本邦対外資産負債残高」にリンク ↑

平成26年度の数字では、資産が945兆円あって、負債が548兆円あります。差し引きで純資産が366兆円あることになっています。さらに、企業の内部留保も300兆円あるらしいです。これが、いずれ設備投資に回るとすれば300兆~400兆の借金なので、世界で有数の健全な財政を持つ国家になります。

だからといって700兆円を超える借金を国民の資産を担保に借りているわけで、この金利負担だっていくら低金利だからといっても尋常ではありません。

昨日の国会で、民主党の議員の国民の6割が安全保障関連法案に反対であるとの指摘に対して安倍総理は、国民から付託されている我々(自民党議員)が責任をもって法案化するとしていました。

財政に対しても「財政責任法」「財政監視機関」「財政責任者」のどれをとっても政治家・官僚にとって忌避したい項目ですね。かつまた、国民にとっても厳しい現実をつきつける政治家を選ぶとも思えません。

選挙

民主政治と選挙制度の根本的弱点なのでしょうね。ここを克服するためには道徳規範が不可欠になってきますが、まず、政治家から範を示すのが順序になるでしょう。

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